PwCコンサルティングとSAPジャパンは、顧客データソリューション分野での協業を開始した。自治体や企業に対し、顧客データソリューションに関するコンサルティングから構築・運用までを支援するという。両社が11月1日に発表した。
これまで両社における協業は、会計や人事をはじめとする基幹系システム領域における協業が大半を占めていたという。今回は、データソリューションに関するコンサルティング、サービスの企画からデータ取得・利用のプロセス、導入後のマネジメントまで一貫して支援するサービスを提供する。
提供するサービスは、「個人情報保護/プライバシー保護とデータ利活用コンサルティング」と「SAPソリューション導入支援サービス」の2つだ。
個人情報保護/プライバシー保護とデータ利活用コンサルティングは、ビジネスプロセスやシステムの構築において、個人データ活用の上流工程から同時並行で、プライバシー対策の検討・実施をPwCコンサルティングが支援する。同社は、データ活用や顧客体験(CX)の高度化、個人情報保護などの領域におけるコンサルティングサービスで培った専門知識や経験に基づき、クライアントと顧客のパーソナルデータを介した持続的なコミュニケーションの実現に貢献するとしている。
これに伴いSAPジャパンは、顧客IDとアクセス管理を行う「SAP Customer Dataソリューション」を提供する。複数のサイトやアプリのIDなど、分散して管理されている顧客IDを統合し、顧客情報を最新の状態に保ちながら一元管理する。また、同ソリューションが提供する、顧客が主体となった「同意管理」を活用することで、顧客データをより安心・安全に活用し、顧客の同意に基づいたより良い顧客体験(CX)の実現を支援するという。
SAPソリューション導入支援サービスでは、PwCコンサルティングの長年にわたるSAPソリューションの導入経験と、SAPのテクノロジーを用いた共同イノベーションの経験を生かし、クライアントのビジネスの成果を上げるために必要なソリューションを提供。統合基幹業務システム(ERP)「S/4HANA」などのソリューションにより、業務プロセスの合理化や効率化を図る。
両社は、今回の協業を通して互いのソリューションやサービスを組み合わせ、幅広い領域の企業や自治体に向けて顧客データソリューションの導入・活用を支援し、企業の持続的な成長を支える事業運営の実現と信頼の構築に貢献していくという。