ガートナージャパンは11月9日、「日本におけるデジタル・ワークプレース・イノベーションのハイプ・サイクル:2022年」を発表した。未来の働き方を見据えてワークプレースに変革を起こすという30の革新的なテクノロジーやトレンドを取り上げている。
同社は「デジタル・ワークプレース」について、「いつでも、どこでも柔軟に働くことができ、テクノロジーで仕事の質や生産性、俊敏性を高めるデジタルな仕事空間」と解説する。単なる仕事環境のデジタル化とは違い、人や組織の在り方を含む企業の成長戦略の一環として実現されるという。
「ハイプ・サイクル」は、変革が過度にもてはやされる期間を経て幻滅期を迎え、最終的に市場や分野でその重要性や役割が理解され進化する共通のパターンを描いたものになる。
今回のハイプ・サイクルでは、メタバースや仮想オフィスが「過度な期待」のピークに位置づけられた。一方で、仮想現実(VR)やロボティックプロセスオートメーション(RPA)は「啓発期」のフェーズにあり、市場へ着実に浸透しているとする。
出典:Gartner(2022年11月)
同社アナリスト シニア プリンシパルの針生恵理氏は、「2022年現在のデジタル・ワークプレース領域では、従来のテクノロジーが成熟する一方で、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する重要なテクノロジーやトレンドに過度な期待が寄せられている」と解説。新たなハイブリッドワーク環境において「オフィス中心型のデザイン」から「人/人間中心型のデザイン」に働き方を再設計することが求められるとし、「企業は今後のデジタル・ワークプレース戦略の中で、柔軟なワークスタイルを実現し、従業員のエクスペリエンス(体験)を向上させるソリューションに焦点を当て、ロードマップを作成する必要がある」と述べている。