NECと筑波大、顔映像から浮腫の度合いを推定する技術開発

NO BUDGET

2023-02-13 17:44

 NECと筑波大学は、浮腫(むくみ)の度合いを人工知能(AI)で顔映像から推定する技術を開発した。NECは2024年度の実用化を目指している。

 この技術では、顔映像のみで浮腫の有無やその度合いを推定できる。技術検証では、39人の透析患者データ、約2万枚の画像を活用。その結果、正解率85%で浮腫の有無を判別し、体重変化の平均絶対誤差0.5kgで浮腫の度合いを推定できると確認した。この平均絶対誤差については、人が外観から判断が難しい浮腫の変化を判別できる水準であり、疾患の悪化の早期発見につながるとしている。

 同技術では浮腫と相関のある体重を教師データとして用いることで、浮腫の有無や度合いを高精度に事前学習する方式を開発。複数の患者の顔映像を用いて顔に現れるさまざまな浮腫の情報を抽出するAIモデルを基にすることで、利用する患者のデータが少量でもその浮腫に合わせたAIモデルを転移学習し、推定精度を高められるという。転移学習とは、事前学習したモデルを出発点として、新たなデータを用いて学習する手法。

 人物の顔の検出には、NECの顔認証技術を応用することで、迅速かつ正確な検出が可能となる。通常のカメラ映像で推定するため、スマートフォンやタブレット端末を利用でき、利便性も高いとしている。

 両者は今後、同技術の向上に向けてデータの集積に取り組み、医療介護/ヘルスケア分野での具体的応用についても探索するという。

開発した技術の全体像
開発した技術の全体像

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    セキュリティ対策で注目の「OSINT」、自組織の防御に役立つ基礎知識と活用方法を解説

  2. セキュリティ

    攻撃者は侵入ではなく“ログイン”する、エンドポイントとアイデンティティセキュリティを連携すべき理由

  3. モバイル

    目前の「Windows 10」サポート終了、「Windows 11」への移行負担を解消する最適解とは

  4. セキュリティ

    こんなにあった!従来型SIEMが抱える課題──次世代SIEMに必須の“8つの要件”とは?

  5. ビジネスアプリケーション

    データリーダーが知っておくべき、AI活用の投資対効果を高める「実効性のある戦略策定」の進め方

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]