ネットアップ、ストレージ新製品「AFF Cシリーズ」--QLCフラッシュで大容量・低コストを実現

藤本和彦 (編集部)

2023-03-10 17:15

 ネットアップは3月10日、米NetAppのシニアディレクターでONTAPハードウェアプロダクトマネージメントのGeorge Pamboris氏が来日したのを受け、2月7日にグローバルで発表した新製品について報道説明会を開催した。

米NetAppのシニアディレクターでONTAPハードウェアプロダクトマネージメントのGeorge Pamboris氏
米NetAppのシニアディレクターでONTAPハードウェアプロダクトマネージメントのGeorge Pamboris氏

 会見で紹介されたのは、オールフラッシュストレージの新製品「NetApp AFF Cシリーズ」と、オールフラッシュシステム「AFF Aシリーズ」のエントリーモデル「AFF A150」。いずれの製品も3月下旬から販売を開始する。

 AFF Cシリーズは、クアッドレベルセル(QLC)フラッシュの採用によって大容量と低コストを実現している。「C250」「C400」「C800」の3機種がラインアップされ、ハイブリッドストレージ「NetApp FASシリーズ」とAFF Aシリーズの中間に位置付けられる。

AFF Cシリーズのラインアップ
AFF Cシリーズのラインアップ

 同氏は、AFF Cシリーズの特徴として「効率的」「セキュア」「スケーラブル」「クラウドコネクテッド」――の4つを挙げる。ストレージ効率性の保証や設置面積の削減、消費電力の改善により、運用を簡素化しながら総所得コスト(TCO)を削減するとし、データの増加に合わせてシステムの容量や性能をシームレスに拡張可能だとしている。また、同シリーズには、ソフトウェアスイート「ONTAP One」を標準搭載し、同社独自のストレージOS「NetApp ONTAP」の機能をオールインワンライセンスで利用できる。

AFF Cシリーズの特徴
AFF Cシリーズの特徴
ONTAP Oneについて
ONTAP Oneについて

 Pamboris氏によると、ONTAPソフトウェアにはランサムウェア対策をはじめ30種類以上のデータセキュリティ機能が搭載されているという。また、最大24ノードまでクラスター化が可能となっているほか、「Amazon Web Services(AWS)」「Microsoft Azure」「Google Cloud Compute(GCP)」へのバックアップやティアリング、キャッシングといったクラウド対応も充実しているとした。

 AFF A150は、AFF Aシリーズを低価格市場向けに展開するモデルで、「AFF C190」のリフレッシュ/アップデート版となる。AFF C190と比較して20~40%の性能向上が図られているほか、スケーラビリティーと拡張性の向上、MetroCluster IPのサポートによる高可用性を実現している。なお、C190は前述のCシリーズとは無関係とのこと。

 次にPamboris氏は、ストレージ保証プログラム「NetApp Advance」について説明。これは、コスト効率を高めながらオンプレミス環境を長期的に保証するもので、例えば、「Storage Lifecycle Program」ではAFFやFASに搭載されるストレージコントローラーを3年に1度のサイクルで最新に無償更新できる。また、「Cloud Advantage Program」ではコントローラーを下取りして、同社のクラウドソリューションを提供する。下取り分はクラウドのクレジットとして付与される。これによって、ビジネスニーズの変化に対応できるようクラウドへのスケールアウトを容易にしているという。

NetApp Advanceについて
NetApp Advanceについて

 同氏は、こうした新製品やサービスを提供する背景として、コストに対する厳格化やサステナビリティー(持続可能性)への対応を挙げる。

 NetAppは2021年12月から「Product Attribute to Impact Algorithm(PAIA)」コンソーシアムに参加。PAIAはハードウェアの炭素排出量を推定するためのライフサイクル分析手法として広く採用されており、その分析によって炭素排出量を地域ごとにモデル化することが可能。同社では、AFF/FASの炭素排出量に関する報告書を作成している。また、ESG(環境、社会、統制)に基づいて企業を格付けする仏企業EcoVadisにおいても、同社は2022年のサステナビリティー調査でゴールドの評価を獲得している。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    迫るISMS新規格への移行期限--ISO/IEC27001改訂の意味と求められる対応策とは

  2. セキュリティ

    警察把握分だけで年間4000件発生、IPA10大脅威の常連「標的型攻撃」を正しく知る用語集

  3. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  4. セキュリティ

    マンガで分かる「クラウド型WAF」の特徴と仕組み、有効活用するポイントも解説

  5. ビジネスアプリケーション

    生成 AI 「Gemini」活用メリット、職種別・役職別のプロンプトも一挙に紹介

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]