NVIDIA、次世代GPUアーキテクチャーをサプライズ予告

Tiernan Ray (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 佐藤卓 吉武稔夫 (ガリレオ)

2024-06-04 09:38

 NVIDIAのGPU「Blackwell」とCPUファミリーの後継製品が、米国の天文学者Vera Rubin氏にちなんで「Rubin」と命名され、2026年前半に発売されることが明らかになった。同社の最高経営責任者(CEO)Jensen Huang氏が、台北で開催されたコンピューター見本市「COMPUTEX 2024」において、現地時間6月2日夕方の基調講演で発表した。

 今回の発表は、新しいチップアーキテクチャーを1年周期でリリースするというHuang氏の公約を改めて強調するものだ。

 Huang氏は、スライドをクリックしてRubinファミリーを紹介する前に、「このスライドをクリックして次のページを表示するのは本当に今回が初めてで、後悔することになるかもしれない」と、冗談めかして語った。

Huang氏は、前世代の「Hopper」から最新の「Blackwell」、そして「Rubin」までのロードマップを披露した。提供:NVIDIA
Huang氏は、前世代の「Hopper」から最新の「Blackwell」、そして「Rubin」までのロードマップを披露した。
提供:NVIDIA

 「これらのチップはどれも全力で開発中だ。すべてのチップについて、1年という周期で、テクノロジーを限界まで追求し、アーキテクチャー的に100%の互換性を完全に達成する」と、Huang氏は述べ、「そして、ありとあらゆる豊富なソフトウェアがその(アーキテクチャー)上で動作する」と語った。

 Rubinの発表が驚きを持って迎えられたのは、3月に開催された「NVIDIA GTC 2024」でBlackwellの正式発表があったばかりだからだ。

 ウォール街の証券会社Jefferies & Co.がテクノロジー系ニュースサイトWccftechの記事を引用する形で公開したリサーチノートによれば、GPUチップファミリーを含むRubinチップと、「Vera」と名付けられたCPUでは、コンピューター用DRAMメモリーが、現時点で最速の「HBM3e」から次世代の「HBM4」に変わる予定だという。また、GPUチップは「R100」と呼ばれるようだ。

提供:NVIDIA
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 このチップは、台湾のTaiwan Semiconductor Manufacturing Company(TSMC)が3ナノメートル製造プロセスを使用して製造し、2025年第4四半期に生産が開始される予定だと、Jefferiesのアナリストは述べている。

 また、Rubinでは「4倍のレチクル設計」が採用されるため、3.3倍のBlackwellよりも、12インチのシリコンウェハーで有効利用できる面積が増えることになると、Jefferiesのアナリストノートには記されている。「レチクル」とは、標準的なフォトリソグラフィーシステムが、チップの回路を転写する際に1回のパスで対応できるウェハーの領域を指す言葉だ。

 Huang氏は、Blackwell GPUの次期バージョンとなる「Blackwell Ultra」も公開した。また、Rubinアーキテクチャーでも、「Ultra」バージョンが2027年にリリースされる予定だと、同氏は語った。

 NVIDIAがCOMPUTEXで発表したすべてのニュースは、同社のニュースサイトまたは同社のイベントをまとめたブログ記事で確認できる

Huang氏は、台湾で開催された「COMPUTEX 2024」で行った6月2日の基調講演で、「Rubin」と呼ばれる次世代チップアーキテクチャーを予告して聴衆を驚かせた。提供:NVIDIA
Huang氏は、台湾で開催された「COMPUTEX 2024」で行った6月2日の基調講演で、「Rubin」と呼ばれる次世代チップアーキテクチャーを予告して聴衆を驚かせた。
提供:NVIDIA

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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