NVIDIAのGPU「Blackwell」とCPUファミリーの後継製品が、米国の天文学者Vera Rubin氏にちなんで「Rubin」と命名され、2026年前半に発売されることが明らかになった。同社の最高経営責任者(CEO)Jensen Huang氏が、台北で開催されたコンピューター見本市「COMPUTEX 2024」において、現地時間6月2日夕方の基調講演で発表した。
今回の発表は、新しいチップアーキテクチャーを1年周期でリリースするというHuang氏の公約を改めて強調するものだ。
Huang氏は、スライドをクリックしてRubinファミリーを紹介する前に、「このスライドをクリックして次のページを表示するのは本当に今回が初めてで、後悔することになるかもしれない」と、冗談めかして語った。
Huang氏は、前世代の「Hopper」から最新の「Blackwell」、そして「Rubin」までのロードマップを披露した。
提供:NVIDIA
「これらのチップはどれも全力で開発中だ。すべてのチップについて、1年という周期で、テクノロジーを限界まで追求し、アーキテクチャー的に100%の互換性を完全に達成する」と、Huang氏は述べ、「そして、ありとあらゆる豊富なソフトウェアがその(アーキテクチャー)上で動作する」と語った。
Rubinの発表が驚きを持って迎えられたのは、3月に開催された「NVIDIA GTC 2024」でBlackwellの正式発表があったばかりだからだ。
ウォール街の証券会社Jefferies & Co.がテクノロジー系ニュースサイトWccftechの記事を引用する形で公開したリサーチノートによれば、GPUチップファミリーを含むRubinチップと、「Vera」と名付けられたCPUでは、コンピューター用DRAMメモリーが、現時点で最速の「HBM3e」から次世代の「HBM4」に変わる予定だという。また、GPUチップは「R100」と呼ばれるようだ。
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このチップは、台湾のTaiwan Semiconductor Manufacturing Company(TSMC)が3ナノメートル製造プロセスを使用して製造し、2025年第4四半期に生産が開始される予定だと、Jefferiesのアナリストは述べている。
また、Rubinでは「4倍のレチクル設計」が採用されるため、3.3倍のBlackwellよりも、12インチのシリコンウェハーで有効利用できる面積が増えることになると、Jefferiesのアナリストノートには記されている。「レチクル」とは、標準的なフォトリソグラフィーシステムが、チップの回路を転写する際に1回のパスで対応できるウェハーの領域を指す言葉だ。
Huang氏は、Blackwell GPUの次期バージョンとなる「Blackwell Ultra」も公開した。また、Rubinアーキテクチャーでも、「Ultra」バージョンが2027年にリリースされる予定だと、同氏は語った。
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Huang氏は、台湾で開催された「COMPUTEX 2024」で行った6月2日の基調講演で、「Rubin」と呼ばれる次世代チップアーキテクチャーを予告して聴衆を驚かせた。
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この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。