サントリーグループのサントリービジネスエキスパートとサンモアテックは、富士通と共同で、グループのシステム基盤をプライベートクラウドに刷新する大規模プロジェクトの第1弾として、一部業務のシステムを移行し、12月16日より運用を開始した。富士通が発表した。
サントリービジネスエキスパートは2009年以来、サントリーグループのホールディングス化に伴い、グループ全体のシステム開発と運用を担っている。同社子会社のサンモアテックはグループのITインフラ基盤を担っている。
今回のプロジェクトは、サントリーグループの既存の業務システムが稼動するサーバの約6割のシステム基盤をプライベートクラウドに刷新するという大規模なもの。サントリービジネスエキスパートは、柔軟かつスピーディーに対応できる高信頼でコストを抑えたICT基盤をを目指し、富士通と共同で、ブレードサーバ「PRIMERGY BX900」上に、仮想化ソフトウェア「VMware」を搭載したプライベートクラウド環境を構築したという。
既存環境で稼働しているウェブやアプリケーションなどのサーバを移行するプロジェクトを、サントリービジネスエキスパートとサンモアテックが共同で開始。その第1弾として、今回、一部業務のシステムを移行し、運用を開始したとしている。
プライベートクラウドへの移行対象となるサーバ台数は現行の約5分の1へと大幅に集約されることとなり、コスト面や運用品質面での向上が図られる予定だという。また、サーバの電力消費量が削減されることで、グループが推進するCO2削減などの環境経営に寄与することにもなるとしている。
サントリービジネスエキスパートは、同基盤を活用し、グループ各社の新規業務や業務拡張などに伴うシステム対応を迅速に行い、グループ各社の経営スピードの加速やビジネスチャレンジによる競争力強化を支援していくという。また、今後はVMwareで同システムの利用状況を見える化するとともに、さらなるICTリソースの最適化を図っていく予定だ。
富士通は、サントリーグループのプライベートクラウド基盤の稼働状況を見える化することで、ピーク時を考慮した従来のICTリソースを最適化し、最小限のリソースでコストを抑えた運用を実現するために支援する。また、それとともに、保守を含めワンストップでサポートしていくという。