Armは米国時間10月15日、同社のIoTプラットフォーム「Pelion」のエコシステムを拡充する一連の新たな提携を発表した。今回発表された提携により、顧客は同プラットフォーム上でさまざまなIoTデバイスをより容易に配備、管理できるようになる。
まずIntelとの提携により、PelionプラットフォームがArmベースのIoTデバイスやゲートウェイに加えて、Intelアーキテクチャ(x86)ベースのプラットフォームも管理できるようになる。次にIoTソリューションのmyDevicesとの提携により、今まで以上に多くの種類のデバイスを容易かつ迅速に配備できるようになる。さらにArduinoとの提携により、「Arduino」システムと「Pelion Connectivity Management」との連携が実現し、開発者は携帯電話ネットワークを使用する、スケーラビリティに優れたIoTデバイスの設計を迅速に行えるようになる。
Pelionは、Armが最近実施した2件の買収の成果だ。Treasure DataとStream Technologiesのテクノロジを活用したPelionは、エンドツーエンドのIoT接続をもたらすとともに、デバイスおよびデータの管理機能を提供するプラットフォームだ。今回の提携は、ArmがこのIoT事業を推進するなかで、市場の断片化によって引き起こされる難題に直面する顧客を支援するために実現したものだ。
ArmとIntelの提携により、顧客は「Intel Secure Device Onboard」(Intel SDO)サービスとともに「Pelion Device Management」を使用できるようになる。またエンドユーザーは、Pelionプラットフォーム上のさまざまな種類のデバイスを、それらがセキュアであるかどうかを気にせず管理できるようになる。さらにデバイスメーカーは、オンボード上の末端顧客固有のクレデンシャル(信用、識別)情報や、さらにはエンドユーザーが選択することになるアプリケーションのフレームワークを知ることなく、デバイスを製造できるようになる。
Pelionプラットフォーム上のデバイスに関連するもう1つのニュースとして、「Mbed Linux OS」の発表がある。Mbed Linux OSは、IoTデバイスのマイクロコントローラー向けとして既に存在しているArm用のオープンソースOSである「Mbed OS」上に構築されている。Mbed OSを使用している開発者は既に35万人以上いる。
Mbed Linux OSにより、「Arm Cortex-A」シリーズのプロセッサをベースにしたIoTデバイスの開発と管理が可能になる。これにより、動画処理のような複雑なアプリケーションや、エッジゲートウェイをより迅速に市場に投入できるようになる。
なお、Pelion上ではArmのOSを稼働させる必要はない。同社のIoTクラウドサービス担当シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのHimagiri Mukkamala氏は、「これらはすべて、基本的に顧客に柔軟性をもたらす話だ」と述べるとともに、「われわれは、配備のライフサイクルを簡素化するうえで、エンドツーエンドのソリューションが重要だと確信している」と述べた。
Mbed Linux OSの開発者向けプレビュー版は11月に利用可能になる見込みだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。