サン、次世代Sparcチップの開発状況を説明

Stephen Shankland(CNET News.com)

2005-02-04 20:41

 カリフォルニア州サンタクララ発--Sun Microsystemsは米国時間3日、同社の次期プロセッサ(開発コード名「Niagara」)の2モデルに関して、今年中に開発上の重要な節目を通過することになると述べた。

 今回話題に上ったのは、第2世代のNiagaraチップと「Rock」と呼ばれる2008年登場予定のプロセッサ。Rockでは、Niagaraの技術の一部を利用して、複数のタスクを同時処理できるようになるが、ただしこのチップはより負荷が高い、ハイエンドのタスクを想定して設計されている。

 当地で開催されたアナリスト向けの年次会議のなかで、SunのCEO、Scott McNealyは、どちらのプロセッサもかなり開発が進んでいると述べた。「われわれは今年、Rockと第2世代のNiagaraを『テープアウト』するだろう」(McNealy)。テープアウトとは、半導体技術者がプロセッサの設計図を磁気テープに記録し、製造のために半導体工場に持ち込む段階を指す。

 これら2つのモデルよりも先に、SunはまずNiagaraをリリースしなくてはならない。SunのDavid Yen(同社スケーラブルシステムグループ、エグゼクティブ・バイスプレジデント)は同会議で、Niagara搭載システムのデモを行い、Solaris 10上でJavaプログラムを動かしてみせた。Sunは現在、社内で週に何台かのNiagaraのテストシステムを作り出していると、Yenは語った。

 Sunは、主にAdvanced Micro Devices(AMD)のOpteronなどのx86プロセッサを用いたサーバを積極的に打ち出しているが、同時にSparcチップも残そうとしている。

 Sunはプロセッサビジネスでいくつかの問題を抱えていた。たとえば2004年には開発に大幅な遅れがでていたUltraSparc Vプロセッサの計画を中止し、またUltraSparc IIIも数年遅れての登場となった。しかし、Niagaraの開発はこれらのチップの時より順調に進んでいるようだと、Microprocessor Report編集長のKevin Krewellは述べている。

 Niagaraを搭載したサーバ製品は、2006年第1四半期に登場することになりそうだと、SunのMarc Tremblay(スケーラブルシステム部門のチーフアーキテクト)は語った。

 Niagaraは、プロセッサを効率的に動作させるCMT(Chip MultiThreading)という技術を初めて大々的に採用した製品となる。CMTを採用したチップでは、複数のプロセッサコアが「スレッド」と呼ばれる一連の命令群を同時に処理することができる。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    セキュリティ担当者に贈る、従業員のリテラシーが測れる「情報セキュリティ理解度チェックテスト」

  2. セキュリティ

    サイバー攻撃の“大規模感染”、調査でみえた2024年の脅威動向と課題解決策

  3. セキュリティ

    従業員のセキュリティ教育の成功に役立つ「従業員教育ToDoリスト」10ステップ

  4. セキュリティ

    IoTデバイスや重要インフラを標的としたサイバー攻撃が増加、2023年下半期グローバル脅威レポート

  5. セキュリティ

    急増する工場システムへのサイバー攻撃、現場の課題を解消し実効性あるOTセキュリティを実現するには

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]