サイバードとJIMOSが経営統合化へ--モバイル物販で競争力を強化

別井貴志(CNET Japan編集部)

2005-03-01 22:23

 サイバードとJIMOSは3月1日、2社で協力してモバイルコマース事業を推進していくために、包括的な業務・資本提携をすることで合意したと発表した。両社の株式が上場しているジャスダック市場では、この発表を周知徹底させるために一時売買が停止されたが、両社共に株価は大幅上昇して引けた。

 モバイルコンテンツサービスなどを手がけるサイバードは、2004年11月に策定した2008年3月までの中期計画の柱となる新事業として物販や広告などを挙げている。これを早期に効率的に実現するためには、通信販売で実績のあるJIMOSと協力することが最善策だと判断した。

 一方のJIMOSは、創業から6年あまりで約100億円の売り上げを達成し、過去4年間で売上高は6.2倍に増加している。自社通信販売事業に加えて、大手化粧品や食品メーカー、鉄道会社などのマーケティングソリューション事業も手がけている。JIMOSはサイバードと組むことで、今後拡大が予想されるモバイルコマース市場に本格参入することができる。サイバードが集客した顧客に対して物販や広告事業を展開できるというわけだ。

 資本提携については、まず3月23日までにJIMOSが新たに発行する普通株式4850株を第三者割り当てによりサイバードが全株引き受けると同時に、既存株主から4810株の普通株式を市場外取引で譲り受ける予定になっている。既存株主の4810株は、筆頭株主であるJIMOS代表取締役社長の小村富士夫の持ち株9,750株(現在の議決権比率52.7%)のうちから1640株、その他取締役4名の持ち株から1970株などを合わせた株数だ。この第三者割り当てと既存株主の譲渡が実施(予定総額約23億円)された場合、JIMOSの発行済株式総数の15.9%をサイバードが取得する。

 その後、6月30日までに既存株主から2490株の追加譲渡(予定総額未定)をサイバードが受ける予定だ。これが実施された場合のサイバードの持ち分は20.0%となり、JIMOSはサイバードの持分法適用関連会社となる。つまり、サイバードの連結損益計算書にJIMOSの業績が「持分法による投資損益」として記載されるので、経営的にも密接になることを意味する。

 こうした両社の密接な協力を通じて、サイバードは2008年3月期に売上高600億円、経常利益72億円の目標達成を狙う。その際の事業別売上高は、コンテンツ事業が140億円、広告事業が100億円、物販事業が200億円、海外事業が90億円、ソリューション事業が70億円を目指す。

 また、両社は今回の包括提携による両社の経営に対する効果を検証した後に、持株会社の設立などをはじめとした資本統合やグループ経営といった、さらにもう一歩進めた経営の統合化も視野に入れているという。

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