サンフランシスコ発--Intelは米国時間29日、新世代のXeonプロセッサをリリースしたが、これは64ビット機能に対応する同社初のハイエンドモデルで、大容量メモリを容易に利用できるようになっている。
4プロセッサマシン向けに設計された新しい「Xeon MP」モデルには、Intelがこれまでデュアルプロセッササーバ用のXeon DPモデルにしか搭載していなかった64ビット拡張機能が搭載されている。Xeon MPには2つのタイプがあり、その1つは1Mバイトの高速キャッシュメモリを搭載した低価格の「Cranford」モデルで、もう1つは4Mもしくは8Mバイトのキャッシュを搭載する「Potomac」モデルとなっている。
Intelは、x86サーバ市場をリードするHewlett-Packard(HP)や、ライバルのDell、IBM、Unisysといったトップサーバベンダーの幹部が参加して当地で開催中のイベントで、これらのプロセッサを公開した。同社はさらに、同チップと対になるE8500チップセット(開発コード名「Twin Castle」)も発売した。同チップセットはプロセッサとほかのシステムとをつなぐもので、メモリ、データ転送、I/Oの各機能が向上している。
x86プロセッサに64ビット拡張機能を追加したのは、IntelのライバルにあたるAdvanced Micro Devices(AMD)が先駆けで、同社は4プロセッササーバ向けの64ビット対応モデルをすでに販売している。ところが、販売台数では、Intelの64ビットプロセッサを搭載するサーバが、デュアルプロセッサモデルしかないにもかかわらず、AMDチップ搭載サーバをすでに上回っている。
AMDは2005年半ばに、シリコン1枚に2つの処理エンジンを搭載するデュアルコアプロセッサを投入し、再びIntelを一気に抜き去りたいと考えている。これに対し、Intelのデュアルコアプロセッサは、DPとMPの両モデルとも2006年初めに登場する予定だと、同社Server Platforms GroupのゼネラルマネジャーJeff Richardsonは述べている。
調査会社Gartnerによると、2004年に61億ドル規模に達したx86サーバ市場では、現在開発競争が繰り広げられているという。Intelは、10年前にデュアルプロセッサマシン向けのPentium Proではじめてサーバ用チップを投入したが、それ以来この市場をほとんど独占してきた。IntelとAMDの両社は、Sun MicrosystemsのUltraSparcやIBMのPowerなど、ほかのプロセッサのシェアを奪って売上を伸ばしたいと考えている。
Intel Digital Enterprise Groupのシニアバイスプレジデント、Pat Gelsingerは、29日に発表された新型サーバについて、2006年にデュアルコアプロセッサが登場した際には、そちらにアップグレードできるようになるはずだと述べた。 「来年の製品発売時には、デュアルコアを同じソケットに装着できるようにするつもりだ。顧客もそれを期待している」(Gelsinger)
Xeon MPプロセッサの最上位モデルは、3.33GHzで動作し、8Mバイトのメモリキャッシュを搭載。価格は3692ドル(1000個出荷時)となっている。また若干動作速度の遅い3GHzモデルのほうは1980ドルになる。
この価格は、Itaniumプロセッサの最上位モデルとあまり違わない。Itaniumの現行最上位モデル(9Mバイトのキャッシュ搭載)は4227ドルとなっている。
また、3番目の「Potomac」モデルは4Mバイトのキャッシュを搭載し、動作速度は2.83GHzで、価格は1177ドルとなる。
一方、同時に発売された「Cranford」モデルについては、どちらも1Mバイトのキャッシュを積んでおり、価格は3.66GHzが963ドル、また3.16GHzモデルのほうは722ドルとなっている。
E8500チップセットの価格は225ドルで、フロントサイドバス(FSB)の数が2本になっている。これまでの製品ではFSBは1つだった。さらにFSBの動作速度も400MHzから667MHzになり、エラー修正機能も向上した。
また、同チップセットは高速で消費電力の少ないDDR2 (double data rate 2)メモリーをサポートし、またPCIよりも高速なPCI Expressにも対応する。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。