ユビキタス時代におけるITの役割は?
そのとおりです。例えばRFIDやEdyを考えてみてください。これらによって、情報発信の起点が食物の生産地や個人になっています。また、ユビキタス社会という名の下で、情報家電や携帯電話など、街中いたるところから情報が取れるようになっています。こうした動きがエンタープライズシステムにまでつながることも、当然考えられますね。ビジネスエリアが増えるということはデータの量が増えるということで、そこがOracle DBの出番になります。また、情報漏えいなどセキュリティの観点も絡めて、ユビキタスにおけるエンタープライズシステムを考える必要があります。
われわれの「Oracle Collaborative Suite」は、メールサーバを集約してセキュリティを向上させたり、ITを通じたコラボレーションを実現したりする製品で、それもこうした次世代のITの動きに合わせたものといえるでしょう。
SOAについては、各ベンダーがしのぎを削って技術の覇権争いをしていますね。今日の企業において、柔軟かつ最適化されたITアーキテクチャが求められるのは当然のことです。
しかし、SOAという技術に欠けている視点としてシングルインスタンスが挙げられるでしょう。システムそのものを1つに統合して扱う、という視点が抜けているのです。これでは結局バラバラな仕組みのまま終わってしまいます。日本オラクルの場合、シングルインスタンスという観点から「異質なものをどうつないでいくか」を重視しています。
SOAから少し外れますが、PeopleSoftの製品にしても、各社の異なる技術にしても、オラクルではすべてシングルインスタンス実現のため、積極的に自社製品に良いところを取り入れていこうとしています。こうした戦略がもたらす価値を、ユーザー企業自身が判断していく。いまのITは、まさにその段階にあるのです。