経営にもたらす価値を訴求するITへ--日本オラクル - (page 2)

インタビュー:西田隆一(編集部)
文:岩崎史絵、写真:津島隆雄

2005-04-12 10:00

--しかし、アプリケーションのコモディティ化が進むと、製品としての差別化が付けにくくなってしまうのではないでしょうか。

 そこで重要なのが、いかに経営に貢献できるかということでしょう。いまのITの最大の問題は、経営効果を証明できていないことです。実際にあるアプリケーションを入れて、業務がこれだけ効率化され、生産性が上がり、売り上げに貢献するとなれば、その分は付加価値として見合った金額をいただくことができます。いまのITのように、とにかく同一にコストがかかるというのはおかしな話で、実際のところは「そのITがどれだけ経営に貢献できるか」という視点が重要だと思っています。だからアプリケーションをコモディティ化することで、逆にITが経営にもたらす付加価値そのものを測ることができるわけです。

 こうした観点から、当社ではグリッド技術を推進しています。

グリッド技術によりシェアドサービスが加速される

--グリッドもコモディティ化に関係があるのでしょうか。

 グリッドの場合は、ハード、ソフトを含むIT資源を最適化することに価値があります。例えば現在何かアプリケーションを導入すると、サーバを2台立てて、片方を万が一の事態に備え、スタンバイしておきますよね。オラクルではこれに対し、Oracle RACの縮退技術などでシステムの稼働率を高めるソリューションを提供しています。

 しかしこの状況を工場に置き換えてみると、「火事があると困るから工場を2台建設する」という対策はあり得ません。いまのIT資源を最適化し、万が一の事態に備えるソリューションが重要なのです。

 グリッドは複数のIT資源を束ね、あたかも1つのシステムのように扱う技術ですから、まったく異なるアプリケーションやミドルウェアを含めたトータルな運用管理が可能になります。つまりは運用管理を向上させるということです。これにより、先ほど申し上げたような運用費が削減され、業務が効率化できます。

 また、グリッドはシェアドサービスにおけるシステムの運用管理にも適しています。なぜなら、全社・グループのIT資源をトータルで管理できるようになるのですから。さらにいえば、これによりシステムの負荷計算ができるので、シェアドサービスにおける課金の仕組みも整備される。いまのITの流れは、ユーザー企業にとってもベンダー側にとっても大きなターニングポイントになるでしょう。

--2004年に中堅・中小市場向けに発表された「Oracle10g Standard Edition One」(Oracle SE One)も同じ観点に立っているのでしょうか。

 そうです。ご存じのとおり、Oracle SE Oneは機能をしぼり込み、価格を抑えた製品になっています。これにより、導入と運用の工数を大幅に削減し、中堅・中小企業も導入しやすくなりました。

 ただ、低価格製品で導入ライセンス数を増やすことがわれわれの狙いではありません。Oracle SE Oneを通じてオラクル製品の良さを知ってもらい、さらに上の経営を目指すためにユーザー企業に貢献することが狙いです。つまり「中堅・中小モデル」から次のステップに上がっていただきたいのです。

 そこでわれわれができることは、次世代のITの姿やサービスを具体的に見せること。先ほどのシェアドサービスなどはその一例です。

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