通信用チップメーカーのBroadcomは米国時間19日、同社が保有するいくつかの特許権を侵害したとして、大手無線技術メーカーのQualcommを提訴したと発表した。
Broadcomは18日、Qualcommが有線/無線通信およびマルチメディアプロセシング技術に関連する10件の特許を侵害したとして、カリフォルニア中央地区連邦地方裁判所で、Qualcommに対する2件の訴えを起した。Broadcomは、Qualcommに対する金銭的損害賠償の支払い命令と、Broadcomの特許を侵害する製品の製造/販売を禁じる差し止め命令を下すよう同地裁に求めている。損害賠償の請求額は明らかにされていない。
今回の訴訟によって影響を受ける可能性のあるQualcomm製品には、携帯電話にマルチメディア機能やVoIP(voice over Internet Protocol)機能を提供するQualcommのチップセットが含まれている。
BroadcomのCEO、Scott McGregorは、「Broadcomは、さまざまな有線/無線通信技術およびマルチメディア技術の先駆的存在だった」と述べ、さらに「Qualcommの現在および次世代のセルラーベースバンド製品群およびRF(radio frequency)製品群が、われわれの保有する多くの特許を侵害していると確信している」と語った。
Broadcomは18日に提起した2件の訴訟に加え、QualcommがBroadcomの5件の特許を侵害する集積回路(IC)などの製品を輸入し、不公正な商行為を行なったとして、同社を米国際貿易委員会(ITC)に提訴した。
BroadcomはITCに対し、Qualcommの行為を調査し、Broadcomの特許を侵害している機器の米国への輸入と、すでに輸入されたそれらの製品の販売をQualcommに禁じるよう求めた。
Broadcomは、6月下旬にITCの調査が開始され、2006年はじめにカリフォルニアでの裁判が開始されると見ているという。
なお、Qualcommの広報担当からはこの件についてのコメントは得られなかった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ