4万顧客から業界別のインテリジェンスを抽出--SAS Instituteの製品戦略

日川佳三(編集部) 2005年06月18日 17時29分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 BI(Business Intelligence)ツール「SAS 9」を出荷するSAS Institute Japanが6月9日に開催した自社展示会「SAS Forum Tokyo 2005」。同展示会に合わせて来日した米SAS InstituteのInternational部門アジア太平洋地域副社長のフィリップ・ベニアック(Phillip Beniac)氏に、同社の製品戦略を聞いた。

--BI(ビジネス・インテリジェンス)とは何か。

 1つの部屋に15人の人が集まっていたとする。そこで「BIとは何か」という質問をすると、おそらく20くらいの答えが返ってくるだろう。市場そのものが固まっていないからだ。関係者は自分に都合のよいように定義をする。こうした混沌とした状況の中、SASはBIの定義をする資格を持つ企業だ。30年以上BIの世界でビジネスをしてきているからだ。

写真右がSAS Institute International アジア太平洋地域副社長のフィリップ・ベニアック氏。写真左が同Asia Pacific チーフ・ビジネス・ソリューション・オフィサーのアンドリュー・クエック氏

 多くの企業は、多くのデータ・ポイントからデータを収集し、どこかに格納し、簡単なクエリーや高度なクエリーをかけてレポートを作っている。このように、BIの対象は現在のモニタリングと過去の分析にとどまり、BIの仕事もクエリーとレポートに止まっていた。SASでは、今後何が起こるのか、どんなアクションがありえて、その結果はどうなるのか、を導く。

 分かりやすく個人がモノを購入する例を挙げると、どんな製品があるのかをまず調べるだろう。友人や同僚に話を聞いたり、カタログを調べる。安いものが何で高いものが何で、何がどんな機能を持っているのか、など基本的なレポートを作成する。これが第1段階だ。

 その後、今欲しいのはこんな機能だが、先のことを考えるとこんな機能が必要、という予測を立てる。将来を考えるということは、思考プロセスを構築する、すなわちインテリジェンスを作り出すということだ。アクションを起こすための情報を固めるということだ。こうしたプロセス全体を指してBIと呼ぶのである。

--インテリジェンスはどこへ向かうのか。

 インテリジェンスを実装したフレームワークには、時系列で、(1)統合された技術の次元、(2)業種横断的・部門ごとの次元、(3)業種ごとの次元、以上3つの次元がある。インテリジェンスは、この順番で進化していく。

 まずは、どのような企業のどのような立場の人にとっても重要な、普遍的な機能を提供する基本的なプラットフォームがある。この上に、財務など個々の部門ごとに特化した部門最適なインテリジェンスが存在しており、これは業種横断的なものだ。さらにこの上に、業種業界ごとのインテイジェンスが存在する。

 SASのBIツールも、30年の歴史の中で、こうした発展を遂げてきた。顧客がどう使っているかを常時リサーチして、リサーチ結果を製品にフィードバックしてきた。現在では、業界ごとのインテリジェンスを製品に実装済みだ。

 顧客の数は4万に上る。分布は、金融が全体の35%、製造が10.5%、医薬品が9%、通信が7%、大学・官公庁が14.5%、その他が20.5%、小売が3.5%である。こうした多種多様な業界ごとのベストプラクティスとスタンダードを抽出し、製品に反映している。

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んだ方に

関連キーワード
ビジネスアプリケーション

関連ホワイトペーパー

SpecialPR

連載

CIO
ハードから読み解くITトレンド放談
大木豊成「仕事で使うアップルのトリセツ」
研究現場から見たAI
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
内製化とユーザー体験の関係
米ZDNet編集長Larryの独り言
今週の明言
「プロジェクトマネジメント」の解き方
田中克己「2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
Fintechの正体
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
情報通信技術の新しい使い方
三国大洋のスクラップブック
大河原克行のエンプラ徒然
コミュニケーション
情報系システム最適化
モバイル
通信のゆくえを追う
セキュリティ
企業セキュリティの歩き方
サイバーセキュリティ未来考
セキュリティの論点
ネットワークセキュリティ
スペシャル
Gartner Symposium
企業決算
ソフトウェア開発パラダイムの進化
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
CSIRT座談会--バンダイナムコや大成建設、DeNAに聞く
創造的破壊を--次世代SIer座談会
「SD-WAN」の現在
展望2017
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft WPC
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell EMC World
AWS re:Invent
AWS Summit
PTC LiveWorx
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
さとうなおきの「週刊Azureなう」
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
中国ビジネス四方山話
より賢く活用するためのOSS最新動向
「Windows 10」法人導入の手引き
Windows Server 2003サポート終了へ秒読み
米株式動向
実践ビッグデータ
日本株展望
ベトナムでビジネス
アジアのIT
10の事情
エンタープライズトレンド
クラウドと仮想化