オラクルのナンバー2が語る「好調の秘密」

Matt Hines (CNET News.com) 2005年08月10日 20時32分

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 Oracleは今年1月、ついにPeopleSoftの買収をめぐる戦いに勝利し、111億ドルで同社を手に入れることになったと発表したが、それでも同社の買収意欲は一向に満たされていなかった。

 OracleによるPeopleSoftの買収が決まると、競合企業、特にSAPは、この巨大買収を数カ月にわたってマーケティングに利用した。ライバル各社は、Oracleのビジネスが落ち着くまでには何年もかかるだろうと述べ、同社が肥大化し、膨大な数の製品を持てあますようになると予言した。業界アナリストもこれに同調し、巨大合併による不安感から、主要な顧客が競合他社に流れる可能性があると述べた。

 ところが、6月末に発表されたOracleの第4四半期の業績は、ウォールストリートの予想を大幅に上回るものだった。そして、売上を押し上げたのは、Oracleが苦戦を強いられているはずのビジネスアプリケーションだった。Oracleと同社の共同社長Charles Phillipsにとって、この結果は認識の点で完全な勝利と言える。

 Oracleの事業の舵取りをまかされているPhillipsは先ごろ、CNET News.comのインタビューに応じ、これまでの紆余曲折と、今後の壮大なロードマップを語った。Phillipsは、Oracleの事業計画を説明すると共に、自身がOracleを去るのではないかという噂については、Oracleに対する市場の悲観的な予測と同じくらい根拠のないものだとして、これを一蹴した。

--PeopleSoftの買収に関しては、統合作業に時間がかかり、顧客の維持や新規獲得に手が回らなくなるのではないか、という見方が優勢でした。しかし、先ごろ発表された第4四半期の業績は、Oracleのアプリケーションビジネスが予想以上に好調であることを示しています。これは市場の認識が誤りだったことを示しているのでしょうか。

 その通りです。顧客の流出は、事実というよりもSAPの願望です。(SAPは自社の)戦略より、当社を語ることの方が多いくらいですから、やけになって、そんな発言をしたのかもしれません。しかし、この予言は当たりませんでした。不安感があったとすれば、それは去年の12月にPeopleSoftの買収を発表したときがピークではないでしょうか。

 アプリケーションは、何らかの形でサーバ指向のアーキテクチャ(SOA)に移行しなければならないと、多くの人が考えています。しかし、これはすべてのアプリケーション--過去10年間に書かれたすべてのプログラムを書き換える必要があることを意味しています。SAPのアーキテクチャも例外ではありません。

--SAPはこの課題にどう取り組むのでしょうか。

 SAPは顧客にこう言っています。「SAPはサービスベースのアーキテクチャを実現します。新しい機能、新しいアーキテクチャを提供します。でも、何も変えるつもりはありません」。この2つを同時に実現することは不可能です。われわれと同じことをするか、それとも「何も変えず、10年前のアーキテクチャにしがみつく」と宣言するかのどちらかです。しかし、SAPが後者を選ぶことはありえません。

 両方を取ることは不可能であり、顧客もサービスやアーキテクチャ、コンポーネントに関するSAPの発言を耳にして、そのことに気付き始めています。SAPは何千人ものスタッフを動員して、アーキテクチャの変更に取り組んでいます。となると、「最も誠実に情報公開に取り組んできたのはどの企業か」という点が重要になります(それはOracleです)。リソースの有無や、同様のインフラを構築した経験からいっても、当社は他社を大きくリードしています。サービスに関する現在の議論は、ミドルウェアに関する議論に帰すると思います。

--どの企業のアプリケーションミドルウェア戦略が最も優れているかということですか。

 ミドルウェアに関していえば、当社のアプリケーションサーバが業界の最高峰であることは間違いありません。当社には市場が必要としているものがあります。市場ではアプリケーションを支えているアーキテクチャの重要性が、ふたたび注目を集めるようになっています。当社のアーキテクチャ戦略を説明すると、企業からは大きな反響があります。

--Oracleの顧客は、アプリケーションを支えているアーキテクチャを近いうちに変更しなければならないことを承知した上で、Oracleの製品を買っているのですか。

 顧客は当社のアーキテクチャが進化の過程にあり、いずれは企業自身が魅力を感じているものへと進化することを知っています。もちろん、進化のペースや新しいアーキテクチャの詳細は説明しています。

 SAPは、自社のアーキテクチャは変化しないといいながら、その可能性もあるといったり、Oracleが描いているような未来に自分たちも移行するといいながら、何も変わらないといったりしています。このような発言を信用することはできません。

--次世代に移行するためには、大規模な変化は避けられないことを、Oracleの顧客は理解しているのでしょうか。

 顧客を次世代に連れて行くことがわれわれの使命です。それが当社の強みの一部であり、当社が多くの顧客に選ばれている理由でもあります。われわれは何度となく技術革新を経験してきました。今回は、移行ではなくアップグレードです。われわれがアップグレードの計画を説明し、こうした変化が初めてではないことを具体例を挙げて説明すると、(顧客は)納得してくれます。

 現在のアーキテクチャを変えたくないという顧客には、変えないという選択肢もあること、少なくとも2013年までは、現在の状況を維持できることを保証しています。アップグレードが必須でないなら、失うものは何もありません。得るものばかりです。

--SAPは先日、Enterprise Service Architecture(ESA)戦略を発表し、市場の注目を集めました。すでにCisco Systems、EMC、IBM、Veritas Softwareといった大企業が、ESAのライセンスを取得しています。SAPの主張によれば、同社のミドルウェア計画はすでに完成しており、サードパーティ製品の開発も始まっているとか。OracleはSAPに後れを取っているのでしょうか。

 そのような言葉にはだまされません。当社のミドルウェアは、すでに7000社のISV(独立系ソフトウェアベンダー)によって利用されています。これはプレスリリースに名を連ねた企業の数ではなく、実際にこの製品を利用している企業の数です。EMCやVeritasといった企業に、自社のミドルウェア戦略への支持を表明してもらったところで何になるのでしょうか。顧客はそのためにミドルウェアを買うわけではありません。IBMはSAPと提携するでしょうが、当社とも提携しています。

 当社は一貫して、パートナーの製品開発を支援してきました。何千社ものISVと提携し、多数のインテグレータと広範な協力関係を築いてきたのはそのためです。当社の製品を利用して、実際にアプリケーションを開発するのはインテグレータやISVです。これらの企業は長年にわたり、当社の製品を支持してくれています。

--CEOのLarry Ellisonは、日常的な業務にはどの程度関与しているのですか。

 信頼できる直属の部下が大勢いますので、以前ほど、細かい部分まで監督する必要はなくなったと思います。もちろん、重要な事柄は今でもEllisonを交えて決めています。

--この1年で、あなたの役割にも多少の変化があったのではありませんか。(共同プレジデントの)Greg Maffeiが入社したことで、多少勝手が変わったと思うのですが。

 いいえ。私の仕事はこれまでとまったく変わっていません。Gregの役割は、基本的にはJeff Henleyや、しばらくの間はHarry Youが務めていた仕事を引き継ぐことですから。

--PeopleSoftの上級社員は、Oracleではどういった役割を果たしているのですか。

 この3、4カ月で起きた刺激的な変化といえば、さまざま企業からたくさんの幹部社員がやってきたことです。マスコミの注目が集まり、四半期の売上も好調だったことから、大勢の元社員もOracleに戻りたいといっています。入社希望者の中には、SAP出身者も大勢います。当社の歴史を振り返っても、これほど優秀な人材が集まってきたことはそうはありません。PeopleSoftの上級社員には、営業部門や開発部門で重要な役割を果たしてもらっています。

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