日・中・韓のソフトウェアベンダーが、アジア版Linuxディストリビューション「Asianux 2.0」を開発した。
Asianuxは中国のRed Flag Software、日本のミラクル・リナックス、韓国のHaanSoftが共同開発したサーバ用オペレーティングシステム(OS)。Asianuxのウェブサイトには、最新バージョンは25日に、韓国と中国でリリースされると書かれている。なお、日本でのリリースは10月以降になる見込みだ。
3社はそれぞれ、Asianux 2.0を自社ブランド下でパッケージ化して提供する。各社とも、アジアの他のLinuxベンダーからの支援もとりつけたいと考えているようだ。Asianuxはすでに、韓国のNational Education Information System(NEIS)プロジェクトなどで採用された実績を持つ。
調査会社Gartnerのリサーチ担当バイスプレジデントAndrea DiMaioは24日、Asianuxはアジア地域におけるLinuxの利用を促進する、と述べた。中国などの大規模な政府プロジェクトで採用されれば、同OSは大きく飛躍するだろうという。Asianuxへの移行が進むとすれば、シェアを減らすのはMicrosoft Windowsになる可能性が高い。
アジアでの標準となるLinuxが確立されれば、ソフトウェア/ハードウェア企業は、複数バージョンのオープンソースOSをサポートする必要がなくなることに期待して、自社製品を積極的に標準Linuxに対応させるだろう。OS普及の鍵を握るのは、サポートするアプリケーションの数と、ハードウェアとの互換性である。そのため、Asianuxにとって、対応するソフトウェアやハードウェアを増やすことは、Windowsから市場シェアを奪ううえで欠かせないステップである。
Asianuxは、2004年1月にRed Flagとミラクル・リナックスが共同Linuxディストリビューションを開発することを発表して以来、開発されてきた。オーストラリアの日刊紙The Ageの報道によると、当時、ミラクル・リナックスの代表取締役社長、佐藤武氏は、3年以内に同OSを普及させ、アジアの現地企業や政府のサーバシステム上で稼働させてたいと述べたという。
その後の2004年10月、2社は韓国のパートナーにHaanSoftを選んだ。当初の計画では、Asianux 2.0は2005年9月にリリースされるはずだった。2005年に入り、3社は2カ月前倒しで開発が進んでいることを明らかにしていた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ