ワイヤレスUSBなど超広帯域(UWB)無線通信技術の半導体企業である米Alereon。9月28日、来日中の同社CEO(最高技術責任者)であるエリック・ブルックマン(Eric Broockman)氏は、同社のワイヤレスUSBチップのロードマップを明らかにするとともに、ワイヤレスUSB搭載製品の出荷動向を予測した。2006年以降、USB接続はワイヤレスUSBへと徐々に置き換わっていく。
同社製のUWB向け半導体チップ「AL4000シリーズ」は、2006年第1四半期にトランシーバ用チップ「AL4100 Analog Front End」とモデム用チップ「AL4200 BaseBand Processor」の量産出荷を開始、第2四半期にはトランシーバ以外のワイヤレスUSB機能をワンチップにまとめた「AL4300 WUSB Client MAC/BBP」を量産出荷する。
無線技術のうち、ワイヤレスUSBの位置付けは、通信可能距離を10メートル以内と短くする一方で数100Mビット/秒を超える転送速度を実現するもの。プリンタやUSBメモリ、デジカメなど現状はUSBケーブルで通信していた近距離のデバイス間通信を無線に置き換え、USB接続からケーブルを廃する用途に適する。用途ではBluetoothと同等であり、速度では上位に当たる。一方で、無線LANは100メートル程度の通信距離と数10〜250Mビット/秒程度の帯域を持ち、WiMAXは1キロ・メートルの通信距離を持つ一方で帯域は60Mビット/秒と狭い。
ワイヤレスUSB搭載機は2006年に出荷を迎える。まずはUSBメモリや各種メモリカード、通信カードなどメインストリームではないUSB製品が出荷を迎える。2006年秋からは、デジカメや携帯電話などモバイル機器がワイヤレスUSBで接続できるようになる。2007年第1四半期には、ノート型パソコンやプリンタ、大画面TVなどがワイヤレスUSBを搭載し始める。