ワイヤレスUSB搭載製品の出荷は2006年--米Alereon最高経営責任者

日川佳三(編集部)

2005-09-28 19:51

 ワイヤレスUSBなど超広帯域(UWB)無線通信技術の半導体企業である米Alereon。9月28日、来日中の同社CEO(最高技術責任者)であるエリック・ブルックマン(Eric Broockman)氏は、同社のワイヤレスUSBチップのロードマップを明らかにするとともに、ワイヤレスUSB搭載製品の出荷動向を予測した。2006年以降、USB接続はワイヤレスUSBへと徐々に置き換わっていく。

米Alereonのエリック・ブルックマン(Eric Broockman)CEO

 同社製のUWB向け半導体チップ「AL4000シリーズ」は、2006年第1四半期にトランシーバ用チップ「AL4100 Analog Front End」とモデム用チップ「AL4200 BaseBand Processor」の量産出荷を開始、第2四半期にはトランシーバ以外のワイヤレスUSB機能をワンチップにまとめた「AL4300 WUSB Client MAC/BBP」を量産出荷する。

 無線技術のうち、ワイヤレスUSBの位置付けは、通信可能距離を10メートル以内と短くする一方で数100Mビット/秒を超える転送速度を実現するもの。プリンタやUSBメモリ、デジカメなど現状はUSBケーブルで通信していた近距離のデバイス間通信を無線に置き換え、USB接続からケーブルを廃する用途に適する。用途ではBluetoothと同等であり、速度では上位に当たる。一方で、無線LANは100メートル程度の通信距離と数10〜250Mビット/秒程度の帯域を持ち、WiMAXは1キロ・メートルの通信距離を持つ一方で帯域は60Mビット/秒と狭い。

ワイヤレスUSB評価ボードの「AL4401-EVB」

 ワイヤレスUSB搭載機は2006年に出荷を迎える。まずはUSBメモリや各種メモリカード、通信カードなどメインストリームではないUSB製品が出荷を迎える。2006年秋からは、デジカメや携帯電話などモバイル機器がワイヤレスUSBで接続できるようになる。2007年第1四半期には、ノート型パソコンやプリンタ、大画面TVなどがワイヤレスUSBを搭載し始める。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. ビジネスアプリケーション

    生成 AI 「Gemini」活用メリット、職種別・役職別のプロンプトも一挙に紹介

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. ビジネスアプリケーション

    急速に進むIT運用におけるAI・生成AIの活用--実態調査から見るユーザー企業の課題と将来展望

  4. クラウドコンピューティング

    Snowflakeを例に徹底解説!迅速&柔軟な企業経営に欠かせない、データ統合基盤活用のポイント

  5. ビジネスアプリケーション

    AI活用の上手い下手がビジネスを左右する!データ&AIが生み出す新しい顧客体験へ

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]