プロセッサ製品の強化を進めるSun Microsystemsが、 同社の最新チップ「UltraSparc T1」の基盤となっている設計をオープンソースとして公開することを、米国時間6日に明らかにした。
Sparcチップの仕様は何年も前から公開されていたが、これを見るためには Sparc Internationalという団体にライセンス料を払う必要があった。しかし、Sunは現在このルールを改め、同チップの仕様のほかにも、設計自体やそれに付随する検証用のツール類やシミュレーションモデルも公開することを計画している。
Sunは、「OpenSparc」という新しい団体を通じて、2006年第1四半期に、この情報を公開する予定で、またライセンスにはOpen Source Initiativeの承認したものを利用することにしている。同社は6日にT1プロセッサを搭載する「T1000」ならびに「T2000」サーバを発表したが、このオープンソース化計画もこの発表の席で明らかにされた。
Insight 64のアナリストNathan Brookwoodは、UltraSparc T1の詳細公開について、おそらく学術関係者へのアピールをねらった動きだろうと述べた。「一部の研究者には、これでアピールできるかもしれないと思う。だが、本物のチップメーカーがこれを使って製品を開発するとは思えない」(Brookwood)
チップのオープンソース化は、かつてはクローズドでプロプライエタリな製品を優先していたSunが、そうした評判を過去のものとするための取り組みのなかで最も新しい動きとなる。Sunは1週間前にも、同社のソフトウェアはすべてがオープンソースになり、無償で公開されるようになると宣言していたが、Javaソフトウェアだけはそのなかに含まれていなかった。
Sparcシリーズの各チップは、主にSunと富士通のサーバに採用されているが、時にはそれ以外の製品に使われることもあり、Scientific Atlantaのセットトップボックス「Explorer 8000」やオリンパスのデジタルカメラ「D-300 Zoom」などはそうした製品の代表例だ。しかしSparcチップの普及率はARMやx86などのチップファミリーに比べてごくわずかなものにとどまっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ