MS、オープンソースベンダーSugarCRMと技術提携を発表

文:Dawn Kawamoto(CNET News.com)
翻訳校正:河部恭紀(編集部)

2006-02-15 15:13

 Microsoftとオープンソースの企業用アプリケーションベンダーSugarCRMは米国時間2月14日、技術提携を結んだことを明らかにした。この提携によりSugarCRMは、「Microsoft Community License」の下で、次期顧客関係管理(CRM)製品を公開する予定である。

 今回の合意は、Microsoft Windows Server製品群とSugarCRMのオープンソースソフトウェアとの相互運用性を強化することを目的としている。この提携は、実利的な考えにより、オープンソフトウェア運動が部分的にも、Microsoftなどの独自仕様のソフトウェアメーカーに対して哲学的に激しく反発するという文化を超えたことを示している。

 「われわれの顧客のうち35%以上が『Microsoft Windows Server』を利用している」とSugarCRMの最高経営責任者(CEO)であるJohn Robertsは述べた。また、多くの顧客が同社に対し、Microsoftとの関係を密接にすることを求めていたとRobertsは言う。

 SugarCRMのオープンソースソフトウェアのダウンロード数は100万件を数え、有料の「Sugar Professional」と「Sugar Enterprise」製品を利用する顧客数は450件にのぼる。同社はこの夏、Microsoft Community Licenseの下で「Sugar Suite 4.5 version」を公開する計画であると、Robertsは述べている。

 Robertsによると、このリリースではMicrosoftとの相互運用性の問題の多くが対処されるため、MicrosoftのオープンソースイニシアティブであるMicrosoft Community Licenseの下で提供することは理にかなっているという。

 SugarCRMは、Microsoftの「Internet Information Services」への対応を向上させることに加え、「Active Directory」および「SQL Server」との相互運用性を強化することに注力する予定である。

 MicrosoftのBill Hilf(テクニカル・プラットフォーム・ストラテジー・ディレクター)によると、SugarCRMとの技術提携は、Microsoftが同社のサーバ製品について取り交わした2件目の商用オープンソース協約であるという。最初の協約は、サーバソフトウェアの連携について、オープンソースデベロッパーのJBossと取り交わしたものである。

 今回のSugarCRMとの提携を土台に、他のプロジェクトに発展させることについて、Hilfは、「これは継続的な関係のはじまりであり、今後顧客がどう反応するかを見極めていきたい」と述べた。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]