インテル、力強い未来を予想--「Itanium」での失敗を認めつつ

文:Stephen Shankland(CNET News.com)
翻訳校正:尾本香里(編集部)

2006-03-27 11:24

 カリフォルニア州サンタクララ発--Intelの経営幹部は米国時間23日、「Itanium」に関する重要な問題を認識していると述べたうえで、同社はこのハイエンドのチップ系統の未来を輝かせるための投資を増やしていると発言した。

 「売上高の数字、計画の遅延、そして打ち切りとなったプロジェクトのいずれについても不満である」とIntelのDigital Enterprise GroupのシニアバイスプレジデントPat Gelsinger氏は述べている。

 しかし同時にItaniumサーバの売上は、「Sun Sparc」サーバの売上の半分以上、そして「IBM Power」サーバの売上の3分の1に達した。また、新たな顧客が加わり、コンピューティング技術供給業者Electronic Data Systemsなどとの間で重要な提携が取り交わされたりしている。「気分が良いか悪いかと聞かれれば、答えはその両方である」とGelsinger氏は当地のIntel本社における取材の中で述べている。

 Intelが当初予想し、期待していたよりもItaniumの成長は鈍かったかもしれないが、これは他の主要なサーバデザインと違わないと、Intelの最高経営責任者(CEO)Paul Otellini氏は述べている。「Power、Sparc、そしてItaniumの単位ランプがタイムゼロにセットされたのを見ている。最初の出荷からただちに顧客のもとに届けられている」(Otellini氏)

 そして大型のサーバとなれば必然的に移行には時間がかかると、Otellini氏は言う。「メインフレームの分野では、10〜20年前の設計を置き換えようとしている。マラソンのようなものだ」(Otellini氏)

 Itaniumプロジェクトの取り組みを開始するとともに、これを支援してきたIntelとHewlett-Packard(HP)は、Itanium系列のチップで攻勢に出ようとし始めている。新プロジェクトでは、2010年までにItanium技術と市場の発展のために100億ドルが投じられる予定である。このうち半分はHPから拠出される。

 IntelはItaniumについて複数の問題を抱えていた。最近では、初のデュアルコアモデルで、先行版「Madison」に比べてパフォーマンスが倍になるとされる「Montecito」が遅延している。しかし同社はエンジニアに対する内部支出を増加し、将来のデザインである「Montvale」を2007年に、「Tukwila」を2008年に、そして「Poulson」をその後未明に公開する予定である。

 HPのItaniumデザインチームがIntelに移動することが合意された後、Itaniumに対して「われわれはトップダウン的な見方」をしていたと、Gelsinger氏は言う。「Montecitoについては厄介であったが、われわれはロードマップをみて、Montvale、Tukwila、Poulsonの進捗状況を確認し、それを履行するためには何が必要かを考察した」(Gelsinger氏)

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    セキュリティ担当者に贈る、従業員のリテラシーが測れる「情報セキュリティ理解度チェックテスト」

  2. セキュリティ

    サイバー攻撃の“大規模感染”、調査でみえた2024年の脅威動向と課題解決策

  3. セキュリティ

    従業員のセキュリティ教育の成功に役立つ「従業員教育ToDoリスト」10ステップ

  4. セキュリティ

    IoTデバイスや重要インフラを標的としたサイバー攻撃が増加、2023年下半期グローバル脅威レポート

  5. セキュリティ

    急増する工場システムへのサイバー攻撃、現場の課題を解消し実効性あるOTセキュリティを実現するには

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]