IBMが米国時間4月6日に、「DB2」データベース「Viper(開発コード名)」の最終テスト版をリリースした。これによって、ライバルのOracleから市場シェアを奪い、オープンソース陣営の勢力をかわしたい考えだ。
IBMはDB2 Viperの「試用版」を、6日より顧客に無料でダウンロード提供する。また、同社のインフォメーションマネジメントビジネス担当ゼネラルマネージャーAmbuj Goyal氏が、インドのジャイプールにおいて同製品の機能についてより詳細な発表を行う予定だ。
IBMのデータサーバ担当バイスプレジデント、Bob Picciano氏によると、DB2 Viper試用版はすでに「リリース候補版」に匹敵するものだという。これは、業界用語で開発およびテスト完了間近の製品のことだ。DB2 Viper正式版の一般発売は、2006年夏のはじめごろになる見込みだという。
IBMによると、DB2 Viperに加わる新機能のうち最も重要なものが、XML文書を「ネイティブ」フォーマットで保存して、インデックスを作成できる機能だという。
IBMはDB2に、XML用として別途ストレージメカニズムを加えている。このメカニズムは、リレーショナルシステムに合わせて文書構造を再フォーマットすることなく、元の構造のままで保つ。DB2 Viperの「階層形式」のストレージフォーマットとXMLに特化したインデックス作成によって、XMLデータを使用するアプリケーションのパフォーマンスが格段に向上すると、Picciano氏は説明する。
Picciano氏は、「Viperはまさに、(Oracleを)市場から締め出すことを狙っている」と述べ、世界中のデータのおよそ40%がXMLフォーマットである点を指摘した。「これによって、現在の市場で大きなシェアを獲得できるだろう」と同氏は述べている。
またIBMは6日、顧客がアクセスポリシーの管理を強められるようになる強化セキュリティ機能について明らかにする予定だ。
Goyal氏は、必要ストレージ容量を55%ないし60%削減できる圧縮技術についても話す予定になっていると、Picciano氏は語った。
Picciano氏はさらに、2006年1月にリリースした無料データベース製品「DB2 Express-C」が、オープンソースデータベースを使用している顧客の取り込みに大いに貢献していると述べた。 DB2 Express-Cは、メモリ容量4Gバイトのサーバまでという制限つきのDB2無料バージョンだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ