日本IBMとジャックスは5月22日、日本IBMの共用データセンター機能「Service Delivery Center(SDC)」を利用して運用する信販およびクレジットカード業務向け基幹システム「JANET」について、複数企業による共同利用可能な状態の本番稼働を始めた。
JANETは、ジャックスが利用している基幹システムで、日本IBMが1997年5月にシステムインテグレーション業務を受託して構築した。両社は、システム稼働前の2000年1月にSDCにもとづくアウトソーシング契約を結び、2001年5月からジャックスの情報システム開発、運用全般でサービスを提供してきた。24時間365日稼働が可能で、「導入以来約5年間無停止という高い信頼性を備える」(両社)という。契約店舗ごとに異なる決済や例外処理などに対応でき、ショッピングクレジットやカード、住宅ローンなどの商品や業務別にプログラムをモジュール化している。
日本IBMのSDCは、障害管理やヘルプデスクなど、システムの運用管理に必要な機能を、機能ごとに集約し、複数の企業に対して運用管理サービスを提供する。ジャックスは、JANETを、業界、業種、系列にこだわることなく、ほかの企業と共同で利用していく計画だ。両社では「稼働実績のあるJANETを利用することで、企業はシステム構築における膨大な開発コストを節減し、システム障害やスキルある人材の確保などのリスクを大幅に低減できる。保守および運用段階でのIT経費も削減できるため、自社の戦略に適した新分野へのIT投資を増やせる」としている。