例として、地名が入ったレストランを特定地域で検索する例を挙げましょう。「California Pizza Kitchen」という全米各地にあるピザチェーン店のように、場所とは関係ない地名を伴うレストランがあります。
ニューヨークにあるCalifornia Pizza Kitchenを探すのか、ニューヨークスタイルのピザをカリフォルニアで探すのか、単に、California、Pizza、New Yorkを並べて検索すると、California Pizzaがヒットします。ニューヨーク市にいる場合、カリフォルニア州にあるピザ屋は関係ありません。そこで、これは位置、これは店名と情報を与えると、検索の精度は向上します。
--オープンデータの実現という目標にあたり、今後強化したい点はありますか?
マークアップできる対象を充実させることです。われわれはシンプルなデータからスタートしました。まずは人と場所のマークアップ、イベントのマークアップ、レビューのマークアップなどです。Amazonの本のレビューや、イベントについての意見などが対象となります。現在、引用のマークアップにも取り組んでいます。記事の最後にある、著者名、テーマ、出版日などです。
マークアップの対象とすべきデータはたくさんあり、よりセマンティックに意味づけされるべきデータはたくさんあります。Microformatsは、ウェブ上に公開された情報のみをターゲットとしています。できるだけたくさんのデータをマークアップしたいと思っています。
--Technoratiとの関係は?
Technoratiとは公式には関係ありません。ただ、Microformatsの作成したフォーマットをよく利用しており、開発を支援してもらっています。
--今後、Microformatsを開発するにあたり、課題はありますか?
今後もフォーマットを増やす予定ですが、われわれがアクティブに何をフォーマットにすべきかと探しているというよりも、提案が挙がってきて、それを検証するというパターンが圧倒的です。
ですが、フォーマットが重ならないように、定義には注意しています。同じ概念を別の言葉で表現可能だからです。そのため、アイディアが挙がると、まずインターネットで例を探します。
--導入事例は?
増えていますね。Yahoo!はよく使っています。製品や映画などのユーザーレビューを各サイトから集め、平均値を出したりしているようです。同じくYahoo!傘下のFlickrも利用しています。
社内でも利用されていると思います。データをHTMLでマークアップすれば、さまざまなMicroformatsにすることができます。HTMLとして保存して、必要に応じたMicroformatsで送信するなどの利用が可能です。
--オープンデータの時代、著作権に関する懸念などはあるのでしょうか?
データの中には、利用してほしいデータというのがあります。企業の住所、電話などがその例です。この場合問題はありません。レビューでは、利用がまったくフリーのものもありますし、クリエイティブコモンズのライセンスを使っているものもあります。この場合、Microformatsを利用してクリエイティブコモンズのライセンスを付加することができます。
Microformatsは、データ、つまり数値を対象としています。これをアグリゲートするためのものです。新しい価値を加えることになります。これに著作権などの懸念は少ないでしょう。また、企業がMicroformatsを使うと決めた場合、データを使ってほしいというメッセージでもあります。