オープンソースからWeb 2.0まで--次世代の製品開発の方向性を示したアクチュエイト

山下竜大(編集部)

2006-08-24 19:19

 Actuateがマサチューセッツ州ボストンで開催している「2006 Actuate International User Conference」の最終日となる8月23日、基調講演にActuateのプロダクトマネジメント担当バイスプレジデントであるPaul Clenahan氏が登場し、今後の製品開発の方向性と製品ロードマップについて紹介した。

ActuateのPaul Clenahan氏 Actuate製品の今後の方向性を示したActuateのプロダクトマネージメント担当バイスプレジデント、Paul Clenahan氏。

 「Actuateは会社の設立から10年間、常に革新的なレポーティング環境を提供してきた。バージョン1〜3ではエンタープライズ向けレポーティング環境を、バージョン4〜6ではウェブレポーティング環境を、バージョン7〜8ではレポーティングプラットフォーム環境を、そしてActuate 9であらゆるレポーティングに対応できるプラットフォームを実現した」とClenahan氏は言う。

Actuateの10年間 10年にわたるActuateのレポーティング製品における革新。

 そして今後、次世代のビジネス・インテリジェンス(BI)を牽引するトレンドとしてClenahan氏は、「プロセス駆動型のBI」「標準化されたBI」「オープンソースへの迅速な適応」「コラボレーティブ・レポーティング」「Web 2.0に基づく次世代ウェブアプリケーション」の5つを挙げた。この5つのトレンドは、今後の製品開発の方向性になるという。

 Clenahan氏は、“現在、多くの企業は複数のBIツールを使用しており、非効率的な意思決定を行っている。このような時代は終わらなければならない”というButler Groupの調査レポートを例に、「このような状況を改善するのがプロセス駆動型のBIだ」とした。

 同氏はさらに、プロセス駆動型のBIを実現するための主要な要件として、「組織内のすべてのデータにアクセスできる能力」「ユーザーの欲しい形式で情報を提供できる能力」「他のアプリケーションと密に統合できる能力」「あらゆるユーザー数に適応できる拡張性」が必要になるとしている。

 今後、Actuateでは、同社の製品群をプロセス駆動型のBIに適応させる改良を加えていくほか、さらに適用範囲を拡大することを目的に、2006年1月に買収したPerformancesoftの製品群の統合や、ブローシャ品質のレポーティングも可能な「e.Reports」を2007年第1四半期にリリースするなどの製品強化を行っていく。

 また、標準化されたBIでは、常にエンタープライズ分野におけるレポーティングの活用を意識し、組み込み環境からワークグループ、そしてエンタープライズまで、開発者のスキルやアプリケーション、サーバなどのプラットフォームに依存しない標準化された製品群を提供する。

 3つ目のオープンソースへの迅速な適応では、すでに同社が推進しているオープンソースの統合開発環境である「Eclipse」をベースにしたBI&レポートテクノロジである「BIRT」を中心に推進していく。今後は、Microsoft Officeフォーマットへの出力やiServerへの出力サポート、ダイナミックなクロスタブコントロール、ページレベルのセキュリティなどが強化される。

 4つ目のコラボレーティブレポーティングでは、Actuate 9ですでに「コラボレーティブ・レポーティング・アーキテクチャ」を採用し、BIRTテクノロジをベースに開発者、パワーユーザー、カジュアルユーザーでスキルやノウハウを共有できる仕組みを実現している。今後は、さらにレポーティング機能と分析機能の融合を計画。分析データをレポートから活用する機能なども予定されている。

 最後の次世代ウェブアプリケーションでは、BusinessReportやInteractive Viewingなどの製品でAjax技術を採用し、ユーザー中心のBIアプリケーションを実現する。また、Actuate製品のユーザーやBIRTコミュニティからのフィードバックにより、研究開発を推進する。

 さらに、双方向のグラフィックスやテキストのコントロール、複数のレポート中のコンテンツとの容易な統合、条件によるアラートや分岐、RSSフィード、BI Widgetsなど、Web 2.0に対応するBIソリューションのシームレスな統合についても推進していく計画だ。

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