Scalaを買収し、日本市場でのビジネス拡大に意欲を見せるエピコ・ソフトウェア。9月には日本での新拠点として、東京と横浜にあった2つのオフィスを、虎ノ門の新オフィスに統合した。同社は日本でどのようなビジネス展開を狙うのか。アジア地域副社長のBryan Tan氏と日本市場を統括する北アジア地域統括ディレクターのStefan Gerstmeier氏に聞いた。
--現在、グローバルでのビジネスは順調ですか。
Tan ERP市場では6位に着けています。SAP、オラクル、マイクロソフト、インフォア、ローソン、そしてわれわれです。3年前には13位でしたが、その後、多くの企業が買収されてしまいました。われわれは、「ソリューションを買う」ことに価値を置いて買収戦略を進めており、ここまでの地位を築きました。
--日本市場でのビジネス強化について、全社戦略の中で紹介してください。
Tan ではまず私のほうから地域レベルまたグローバルな視点から今回の取り組みについて話しましょう。エピコは、グローバルに事業を拡大してきました。その中で日本市場は重要な意味合いを持っています。現在、アジア地域における売上の3分の1が日本市場からのものであり、それだけ貴重な市場なのです。
Gerstmeier われわれは日本市場で13年間の実績があり、組織は成熟してきています。それをベースに、買収によって増えたプロダクトラインを日本市場に向けて展開することで、ポジショニングの強化を図りたいと考えています。
--13年というのは買収したScalaの時代からですよね。
Gerstmeier そうです。グローバルクライアントの日本法人向けに初めてソフトウェアを導入したのが1988年。その後、1990年から1993年にかけて第一段階の日本対応を進めました。さらに1999年から2000年には第二段階の日本化作業を行い、ビジネスプロセスを含めて日本企業に合ったソフトウェアとしてのブラッシュアップ作業を行っています。
--エピコ・ソフトウェア・ジャパンとして統合されたのはいつごろなのでしょう。
Tan グローバルでは、2004年にエピコとスカラが合併しています。日本でエピコのブランドを使い始めたのは、法人登記などを済ませてからですから、もう少したってからですね。
--それまで、エピコ側の日本市場でビジネスは?
Tan エピコとしてはやっていませんでした。ただ、日本で活動拠点を持っている顧客がソフトウェアを使っているケースはありました。