また現時点では、同チップをメモリに接続する方法が存在しない。Rattner氏によると、Intelはこのプロトタイプチップの上に配置可能な積層メモリチップを開発中であり、メモリチップの次世代設計についてメモリメーカーと議論を交わしているという。
メモリとの接続が解決すれば、次にIntelの研究者らは、世界中の広範囲な用途に向けた汎用プロセッシングコアを構築する方法を考案しなければならない。Rattner氏は、製品としてリリースするまでにはやはり5年はかかると同社は考えていると述べた。
しかし、80コアチップの最大の課題は、その性能を最大限に活用できるソフトウェアの記述方法を考案することだろう。PCソフトウェア業界では、やっとマルチコアプログラミングに着手したところである。サーバソフトウェアもそれより少し先を行く程度である。Microsoft、Apple、Linuxの各コミュニティーにおいて、そのパソコンOSで80個もの独立した処理ユニットを効率的に使用できるようになるのはかなり先になりそうである。
In-StatアナリストのJim McGregor氏は、「CPUの大部分を制御するのはOSであり、OSが変化しなければならない」と述べた。どのようにして複数のプロセッシングコアにタスクを分割するかという問題を指して同氏は、「処理を分割するという点において、OSはさらにインテリジェントになる必要がある」と述べた。
Rattner氏は「ここではわれわれすべてが共に前進していると思う」と述べた。「コアの性能が向上し、それを効率的に利用する技術が伴えば、適用可能な用途はおのずと開けてくる」(Rattner氏)。Intelはツールやライブラリの構築において同社のソフトウェア開発者をトレーニングすることにより、この前進をスムーズなものにしたいと思うと同氏は述べた。
Intelは、微分方程式を解くアプリケーションを実行し、同チップをデモした。3.16GHzで、0.95Vをプロセッサに加えた場合、62Wの消費電力で1テラフロップの性能が得られた。Intelはサンフランシスコのあるホテルでのこのデモのために、特別なマザーボードと冷却システムを用意した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ