早稲田大学(白井克彦総長)とSAPジャパン(ロバート・エンスリン社長) は2月20日、早稲田大学大学院会計研究科(小林啓孝研究科長)で、内部統制 の理論をテーマとした学生対象の寄附講座「ERPシステム実務」「ERPシステム 実務(実習)」を4月から開講すると発表した。
2つの講座では、会計監査現場で活躍する人材育成支援を目的に、SAPの基幹 業務システム「mySAP ERP」を教材として使用し、内部統制の基本理念や業務 プロセス遂行のためのシステム利用法を教える。SAPのERPシステム基盤を教材 として採用した大学での内部統制の正式な講義科目は、日本で今回が初めて。
06年6月に成立した日本版SOX法(金融商品取引法)によって、すべての上場 企業と法令で定められた企業は、09年3月期決算から内部統制報告書の提出と、 その監査が義務となった。この法改正を受け、早大とSAPジャパンは、内部統 制対応の基盤となる「mySAP ERP 2005」のシステムを教材とした講座「ERPシ ステム実務」「ERPシステム実務(実習)」を開設することとした。
教材となる「mySAP ERP2005」は、企業内外にまたがるビジネスプロセスの 基礎を築き、プロセスの可視化によって内部統制の情報基盤を整備するシステ ムで、学生は内部統制実施基準の内容やその実装方法をより実践的な形で習得 できる。講座は、前期・後期1科目(週2コマ)ずつ3年間にわたって開講され、 講師は早稲田大学大学院の教授陣とともに、SAPジャパンのコンサルタントが 担当する。