ジャストシステムは5月16日、露Kaspersky Labsが開発した法人向け統合セキュリティソフト「Kaspersky Anti-Virus for Windows Workstation 6.0」を、7月下旬より販売すると発表した。また、法人向けの新製品として他社製のセキュリティソフトと共存できるアンチウイルスソフト「Kaspersky SOS(セカンド・オピニオン・ソリューション)」を10月中旬より発売するという。
ジャストシステムでは、2006年11月よりコンシューマー向けのパッケージ製品「Kaspersky Anti-Virus 6.0」および「Kaspersky Internet Security 6.0」日本語版の国内販売を行っている。「Kaspersky Labsの技術力とソフトウェアの性能で差別化を図る」としてのセキュリティ市場参入だったが、今回、法人向け製品をラインアップすることで「企業のセキュリティソリューションにも、性能面での選択肢を提供したい」(ジャストシステム、コンシューマ事業部カスペルスキープロジェクトリーダの横井太輔氏)という。
「Kaspersky Anti-Virus for Windows Workstation 6.0」は、企業内デスクトップのセキュリティを保護する法人向け製品という位置づけ。ファイル操作やメール受信、ウェブサイト閲覧のリアルタイムスキャンに加え、コンシューマー向け製品と同様に、定義ファイルに記述されていない未知のウイルスを検知する「プロアクティブディフェンス」機能を搭載している。また、アンチウイルス機能に加えて、フィッシング対策、ファイアウォール、スパム対策までを含む総合的なセキュリティ機能を提供する。
法人向け製品には、管理コンソールとして「Kaspersky Administration Kit 6.0」が提供される。管理者はこのツールを利用することで、新規導入マシンへのソフトウェアインストール、企業のセキュリティポリシーに合わせたクライアントのパラメータ設定、定義ファイルやアップデートプログラムの適用や管理を一元的に行える。
また、10月中旬発売予定の「Kaspersky SOS」は、他社のアンチウイルス製品と共存できる点が特徴の新製品だ。
すでにアンチウイルスなどのセキュリティ製品を導入している企業においては、この「Kaspersky SOS」をクライアント側に合わせて導入することで、既存エンジンでのスキャン後に「Kaspersky SOS」によるスキャンを続けて行える。他社製品でのスキャン結果と合わせて、Kaspersky SOSによるスキャン結果を「セカンドオピニオン」として利用できるという。
横井氏は「すでに他社製のアンチウイルスソフトを導入している企業では、出張などで社外に持ち出されたPCが、更新ファイルなどを受け取れず、結果としてウイルスに感染してしまったといったケースが多くあると聞いている。Kaspersky SOSによる二重のスキャンを行うことによって、そうした環境でもウイルス感染のリスクを最小限に抑えることができる」と説明している。
価格は、「Kaspersky Anti-Virus for Windows Workstation 6.0」がオープン。「Kaspersky SOS」が未定。