Intelは米国時間6月14日、「Itanium」サーバプロセッサの新情報をいくつか明らかにした。
まずItaniumのロードマップに新しいコード名が加わった。その名は「Kittson」。Itaniumの次の10年を担うプロセッサについてIntelが今回明らかにした情報はこのコード名のみである。Kittsonは、2007年登場予定の「Montvale」、2008年登場予定の「Tukwila」、その次に予定されている「Poulson」のさらに後続の製品だ。
Poulsonは命令セットに複数の変更が施されることからも興味深いチップである。その詳細は一切明らかにされなかったが、IntelのItanium開発ディレクターRory McInerney氏は、ItaniumのEPIC(Explicitly Parallel Instruction Computing:明示的並列命令コンピューティング)命令セットにおいて、ソフトウェア互換性を拡張するようなイメージと表現している。
Poulsonはさらに、チップ製造プロセスの進化の過程を1つ飛び越すことになる。Intelでは、Poulsonを32ナノメートル技術で製造する計画だ。一方、Poulsonの前のTukwilaは65ナノメートル世代で製造される。Intelによると、45ナノメートル技術を飛ばすのは、32ナノメートルプロセスでチップを製造する準備がPoulsonとほぼ同時に整うためだという。これは、同プロセッサファミリの開発が数年前から遅延を繰り返してきた結果生じた副産物だ。
ただ、Poulsonが2010年より前に登場することには期待できない。ItaniumプロセッサはほかのIntel製品と比較して出荷数が少なく、2009年後半に移行することになっている32ナノメートルプロセスでのチップ製造を、Poulsonで独占することは考えづらいためだ。
同チップはTukwilaの4つを上回る数のコアを搭載するが、McInerney氏はその具体的な数と、登場時期については明言を避けた。
Intelがこの日行った残りのプレゼンテーションでは、Itaniumの売れ行き、システムの売上高、そしてオープン標準技術に関する取り組みなど、Powerpointのデータが示された。
IntelはItaniumについて、増加した売り上げを示すのみで、実際に増えた出荷数を一切明かしていない。InquirerのCharlie Demerjian氏は、こうした背景からItaniumの実際の売れ行きが見えにくくなっていると指摘している。
Intelはかつて、Itaniumにより、64ビットコンピューティングを普及させられると期待していた。しかし、同チップはハイエンドサーバ向けという特殊な製品になってしまっている。確かに収益性の高い分野ではあるが、台数ベースではサーバ市場全体のわずかを占めるに過ぎない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ