文書フォーマットをめぐる業界内の論争が紛糾する中、米マサチューセッツ州は、従来の技術ポリシーを変更し、Microsoftが開発した文書フォーマット、Office Open XMLの採用を決定した。
マサチューセッツ州の情報技術(IT)部門が米国時間8月1日に公開した書簡には、同州が技術アーキテクチャにOffice Open XMLを採用する大まかな理由が記されている。また同部門は、Office Open XMLの採用は、注目を集めている同州の標準ベースのポリシーに逆行する、との批判に答えた。
マサチューセッツ州は2005年に、標準を基礎とした技術アーキテクチャを策定した。それらの標準の中には、デスクトップ生産性アプリケーションの標準も含まれている。当時、Microsoft Officeの文書フォーマットは標準ではなかったため、同州は既に標準化されていたOpenDocument format(ODF)を選択した。
しかし、その後Open XMLは欧州の標準化団体ECMA Internationalに標準として承認された。また現在、Microsoftは国際標準化機構(ISO)にもOpen XMLの標準化を申請している。
州当局は同書簡の中で、(Open XMLとODFの)両方の文書フォーマットを採用したのはあくまで技術的理由からであり、ベンダー差別は一切ないと述べている。
また同書簡には、どちらかのフォーマットに欠陥があるのではないかとの懸念は、複数の標準化団体によって見事に払拭された、と記されている。同書簡には、行財政次官のHenry Dormitzer氏と最高情報責任者(CIO)代理のBethann Pepoli氏が署名している。
「どちらかの標準について当然浮上する懸念の影響よりも、オープンなXMLベースの文書フォーマット標準に移行するメリットの方がはるかに大きいとわれわれは考えている」(同書簡)