今回のマサチューセッツ州の決断は、Microsoftの完勝を意味する。Open XMLのライバルであるODFは、ある標準化団体を通じて複数の競合ベンダーが開発したもので、オープンソースのデスクトップアプリケーションパッケージOpenOfficeのデフォルトフォーマットになっている。
Microsoftの幹部らは、マサチューセッツ州が技術ポリシーを策定していた当時、数年間にわたり、同州の当局に(Open XMLの採用を)働きかけてきた。どのデジタル文書フォーマットを選択するかによって、必然的に選択すべきデスクトップソフトウェアも決まる。そして、特に欧州では、Microsoftの多くの政府顧客が許容可能な標準としてODFを選択した。
1日のマサチューセッツ州の発表は、さほど大きな衝撃ではなかった。同州は6月に、Open XMLの採用を提案し、それに関する市民の意見を求めた。
またPepoli氏が7月に述べたところによると、文書フォーマットに関わらず、同州の技術ポリシーの影響を受ける州の職員らは、現在彼らがデスクトップ用アプリケーションスイートとして使用しているMicrosoft Officeを今後も使い続けるという。同氏はその理由について、Officeには障害者のニーズを満たす機能が付いているからだと説明している。
Microsoftの相互運用性および標準担当ゼネラルマネジャー、Tom Robertson氏は1日のマサチューセッツ州の発表を称賛し、次のように述べた。「フォーマットは時間の経過とともに進化する。そして、承認済み標準のリストも進化すべきだ。(今回のマサチューセッツ州の決定は)これらの事実を反映している」
一方、ODFの支持者らは、マサチューセッツ州の決定は、「オープンスタンダード」のみの使用を義務付けた同州の当初の指令に反すると批判している。Open XMLはEcma標準であり、Open XMLの開発にはMicrosoft以外にも複数のベンダーが参加した。しかし、Open XML反対派は、ODFはよりオープンなプロセスの中で開発されたと主張している。
弁護士でODFの支持者でもあるAndrew Updegrove氏は次のように述べている。「マサチューセッツ州、より正確には勇気ある少数の公務員たち、は2005年にオープンフォーマット向けの標準を採用した。これは、大変重要なことだった。彼らの後任が、一時の感情でその信念に基づく姿勢を捨て去ってしまうのは誠に遺憾だ」Updegrove氏は、業界標準についてのブログを運営している。
Updegrove氏はさらに、マサチューセッツ州はあとわずか1カ月だけ待って、Open XML がISOの厳格な世界的標準化プロセスの精査に耐えうるかを見極めてから決断することもできたはずだ、と付け加えた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ