IPOによる追い風でサーバ仮想化市場を牽引するVMware--仮想化技術をひも解く(8)

谷川耕一 2007年08月29日 08時00分

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 さまざまな見方や数え方はあるが、現在のところサーバ仮想化ソフトウェア領域において、VMwareの市場シェアは間違いなくトップであろう。VMwareの顧客数は、すでに2万を超えている。1998年に創業し、2004年にストレージベンダーのリーダー企業EMCに買収され同社の100%子会社となる。そして2007年8月、VMwareはニューヨーク証券取引所で株式公開(IPO)を果たした。

 VMwareは、創業からしばらくは、おもにIT技術者から趣味や実験的に利用するサーバ仮想化ソフトウェアのベンダーとして認知された。そして、EMCによる買収後、徐々に商用の製品やサービスの色が濃くなってきたといえる。

 とはいえ、これまでにVMwareを認知していたのは、ほとんどがITに関連する仕事を生業にしている人々であり、一般人がVMwareとは何かを理解していたわけではない。IPOによってVMwareという企業名を、そしてサーバ仮想化というソリューションを、IT業界以外にも知らしめることになりそうだ。今回は、急激に認知度を高めているサーバ仮想化ソフトウェアのリーダー、VMwareをひも解いていく。

完全仮想化を早くから実現

 VMwareの特長は、完全なハードウェアのエミュレーションを実現する「完全仮想化」を実現していることだ。ホストOS上で動く仮想化ソフトウェアを先行して提供したのはもちろん、2001年にはホストOSのいらないハイパーバイザー型の「VMware ESX Server」が早くもラインアップされている。

 完全仮想化では、ソフトウェアによってハードウェアを完全に模倣するので、仮想マシン上で動かすゲストOSには基本的に制限がない。正式にサポートされるかどうかは別だが、IAサーバで動くx86、x64のアーキテクチャをサポートする多くのOSが、VMwareの仮想マシン上で動作する。逆に、ゲストOSからハードウェア上の各種デバイスに対しては、常にVMwareによってエミューレートされた仮想デバイスを通してアクセスすることになるため、パフォーマンス的に不利となることもある。

 2007年5月に提供開始した「VMware Workstation 6」では、準仮想化された(準仮想化環境で動くように修正され最適化されている)「Linux 2.6.20」にも対応している。これにより、オープンソースの仮想化システム「Xen 3.0」と同様の方法で仮想化が実現できるようになり、Linuxカーネルがサポートするデバイスへのアクセスが高速化することになる。つまりVMwareでは、完全仮想化において幅広いゲストOSに対応し、準仮想化において高い性能を実現することになる。

無償版からデータセンター向けまで

 VMwareのもう1つの特長は、製品ラインナップが豊富なことだ。手軽にサーバ仮想化を体験できる無償の「VMware Player」と「VMware Server」、ホストOSタイプの商用製品となる「VMware Workstation」、ハイパーバイザー型のエンタープライズ向け「VMware ESX Server」、Intel製CPUを搭載したMacintoshシリーズ向けの「VMware Fusion」がある。

 これらに加え、さまざまな仮想環境管理ツールや仮想環境への移行をサポートするツールなどもある。例えば、ハイパーバイザー型仮想化ソフトVMware ESX Serverや、管理ツールの「VMware VirtualCenter」などをパッケージ化し、データセンター向けに「VMware Infrastructure」を提供している。

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