「Windows 11 24H2」を全ての個人ユーザーに自動配信--段階的ロールアウトが最終段階に

Lance Whitney (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2025-05-08 07:42

 「Windows11 24H2」へのアップデートを避けていたユーザーも、ついに受け入れざるを得ない状況となっている。Microsoftは米国時間5月2日、Windows11 24H2が段階的ロールアウトの最後のフェーズに入ったことを明らかにした。これは、同バージョンが全てのユーザーに広く提供される段階になったことを意味する。

 Windows Latestの報道によると、Microsoftが公開しているページ「Windows 11, version 24H2 known issues and notifications」(日本語)では、自動インストールが個人ユーザーに適用され、管理された組織や企業には適用されないことが説明されている。アップデートから除外されるデバイスは、既知の問題などによってアップデートがブロックされているものに限られるという。

 Microsoftは、「IT部門によって管理されていないWindows 11、バージョン23H2、22H2、および 21H2のHomeエディションとProエディションを実行しているデバイスは、バージョン24H2の更新プログラムを自動的に受け取る」と述べている。そして、「デバイスを再起動する時間を選択するか、更新プログラムを延期できる」としている。

 確かに、デバイスの再起動を防ぐことで、アップデートの適用完了を回避することは可能だ。「Windows Update」の詳細オプションでは、PCが自動的に再起動しないアクティブな時間帯を設定できるほか、アップデート自体を1週間から最大5週間延期する選択肢もある。ただし、これを行うと、セキュリティ関連ではないものを含め、全てのアップデートが保留される可能性がある。そして結局のところ、これは避けられないアップデートの適用を単に遅らせているにすぎない。

 自動インストールは驚くことではない。Microsoftは1月、バージョン24H2が段階的ロールアウトの新しいフェーズに達したと発表していたためだ。その時点から、バージョン23H2/22H2が稼働している全ての対象デバイスは、バージョン24H2を徐々に受け取る状態になっていた。

 サポート対象のWindows 10/11デバイスにバージョン24H2を手動でインストールしたい場合は、設定画面から「Windows Update」を選択し、「更新プログラムのチェック」をクリックすることで、バージョン24H2のダウンロードとインストールのオプションが表示される。

 たとえユーザーが積極的にアップデートを取得しようとしなくても、バージョン24H2は自動的に表示され、何もしなければダウンロードが始まる可能性がある。アップデートを延期設定にしていない限り、次にPCを再起動した際に、アップデートのインストールが完了することになる。

 なぜ、バージョン24H2への抵抗感が広がっているのだろうか。2024年10月に正式リリースされたバージョン24H2は、リリース当初から多くの不具合に見舞われていた。互換性の問題やさまざまな不備が多数報告され、深刻なトラブルが多発したため、Microsoftは、影響を受けるデバイスへのアップデート配信を一時的に停止せざるを得ない状況となった。

 その後、Microsoftは主に毎月の更新プログラム(Patch Tuesday)を通じて、多くの不具合を修正してきた。しかし、一部の修正は、いわば「三歩進んで二歩下がる」ような状況を引き起こし、新たな問題を生むケースもあった。そのため、既知および報告済みの問題だけでなく、多くのユーザーが遭遇しているその他の不具合も、いまだMicrosoftが対処すべき課題として残されている状況だ。

 問題の修正が進むまでバージョン24H2へのアップデートを保留するよう助言する声も一部にあった。しかし、自動インストールが本格化する今、その選択肢は難しくなった。確かに継続的な問題は残るが、PC構成や利用環境はユーザーごとに大きく異なるため、実際に問題に遭遇するかどうかはユーザー次第であり、運に左右される側面がある。

 Microsoftには、残されている多くの不具合を修正することが期待されている。2025年10月に「Windows 10」のサポートが終了するため、特にその重要性を増している。今後、大半のユーザーがWindows 11へ移行することを考えると、同OSが可能な限り安定し、信頼できる状態であることが強く求められている。

提供:Microsoft / Elyse Betters Picaro / ZDNET
提供:Microsoft / Elyse Betters Picaro / ZDNET

この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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