長年のライバルでありながら時には協力関係も結んできたSun MicrosystemsとMicrosoftは米国時間9月12日、SunがMicrosoftのOS「Windows Server 2003」を搭載した64ビットサーバを発売すると発表した。
両社がリリースで述べているところによると、Sunは90日内に自社のx64システムの全製品ラインでWindows Server 2003を提供するという。SunはすでにWindows Server製品が同社のハードウェアで動作することを認定しているが、この契約によってSunはWindows Serverをプレインストールし、顧客へのサポートが可能になる。
また、SunとMicrosoftは両社の技術提携を仮想化の分野にも拡大していくことも明言した(2004年に初めて両社の提携関係が発表されたが、初期の大々的な宣伝にもかかわらず結果が伴わなかった)。
具体的には、Microsoftの仮想化技術でSolarisがゲストOSとして動作するように、仮想化されたSolaris環境でもWindowsが動作するようにしていくと両社は語っている。
この動きはSunにとって戦略上の大きな転換である。同社は1990年代にWindowsを回避してUNIXを採用し、MicrosoftのOSを販売してMicrosoftを支援していたハードウェア製造業者を低く見ていた経緯がある。
Sunがx86サーバを中心としてビジネスを拡大していることと仮想化の重要性が高まっていることが今回の路線変更の要因になったと、Sunのシステム事業部担当エグゼクティブバイスプレジデントのJohn Fowler氏は報道関係者およびアナリストとの電話会議で語った。
「自社が仮想化しているOSをめぐってビジネス関係を結ぶのはわれわれにとってはごく自然なことだ。したがって、そのための時期も適切だと思っている」とFowler氏は述べている。また、Windows ServerがSunのハードウェアを使用している顧客の高度な要求をも満足させられるところまで成熟してきたこともほのめかしていた。
今回の提携の一環として、両社は仮想化の開発作業のために2004年に初めて設立された相互運用性の研究所の規模をほぼ2倍に拡張する。両社の幹部はスタッフの規模については言及せず、研究所には両方の従業員が所属することになると述べるにとどまった。
その他の提携分野としては、WindowsにおけるSunのストレージシステムの正常な動作を確保する作業やIPテレビに関する共同事業がある。
Fowler氏は、OEM契約は2008年にMicrosoftが「Windows Server 2008」を販売するまで継続されるのかについてのコメントは控えた。
Fowler氏とMicrosoftのサーバ&ツールマーケティングおよびソリューション部門担当コーポレートバイスプレジデントであるAndrew Lees氏は電話会議で、両社の提携関係はメディアにほとんど知られることなく進行していたと述べた。
具体的には、両社の相互運用性に関する提携関係の成果によって、システム管理、アプリケーション開発、ストレージおよびディレクトリといった分野でより優れた製品が誕生している。
SunにとってWindowsの販売契約は、かつては主としてプロプライエタリなハードウェアを中心に構築してきた事業を、提携によって拡大するためのもうひとつの動きである。
一方、8月にはIBMがSolaris搭載サーバを販売すると発表した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ