矢野経済研究所は9月28日、有機EL市場の調査を実施、結果を発表した。
調査によると、2006年の有機EL市場は、単価の下落幅が大きかったことに加 え、これまで数量を伸ばしてきた携帯電話や携帯音楽プレーヤー向け小型パッシブマ トリクスディスプレイの需要が一巡したことが起因し、前年度比1.7%増の610億円に とどまった。
用途別市場規模をみると、最も多い「携帯電話サブディスプレイ(52%)」が 約半数を占め、2位の「携帯音楽プレーヤー(35%)」を含めると8割以上に達す る。
一方、アクティブマトリクス型は既にノキアや韓国のLG電子、KDDIなどが2007年中に携帯電話メインディスプレイとして採用を予定、市場規模は現在の2倍強にな ると予測される。さらに、映像表示に近いモバイルテレビのような端末への普及が見 込まれることから2008年に1300億円、2012年には5000億円規模になると予測してい る。
調査は2007年1〜3月、有機ELパネルメーカーおよび有機ELパネル製造装置 メーカーを対象に直接面接や、電話、電子メールなどによるヒアリング取材を行ったも の。