シマンテックは12月4日、電力消費を効率化し、地球環境保全に貢献する「グリーンデータセンター」の実現に向けた同社の取り組みについて説明を行なった。
説明したSymantecのグローバルソリューション担当バイスプレジデント、Jose Iglesias氏は、「データセンターで利用されるハードウェアは、1ドル当たり50セントの電力/冷却コストが発生している」「2008年にはデータセンターの50%が電力供給と冷却能力に問題を抱える」といった調査結果を紹介した。また、同氏によればYahoo!やGoogleがデータセンターをワシントン州に移動する動きが起きているという。これは、同州では水力発電によって低コストな電力供給が可能なため。大規模なデータセンターでは、電力コストはデータセンター自体の移転の理由になるほど深刻化しているというわけだ。
同氏は、「データセンターの管理者にできること」を、「データセンターの再設計」「ハードウェアのアップグレード」「ソフトウェアによる効率化」の3種に分類した上で、ソフトウェア企業であるシマンテックがこの問題について貢献できる具体的な内容として、仮想化や統合をソフトウェアによって実現することを挙げた。さらに、ソフトウェアによる取り組みを「サーバの効率化」「ストレージの効率化」「デスクトップの効率化」の3分野に細分化し、それぞれに対して同社が効果的なソフトウェアソリューションを用意していることを強調した。
さらに、補完的な機能として同社では、コンサルティング企業であるCompany-iを昨年11月に買収しており、データセンターの計画サービスも提供しているという。グリーンデータセンターに関するコンサルティングは、日本ではまだメニューに含まれていないというが、Company-iの買収に基づくコンサルティング提供は既に国内でも開始されているとのことだ。
データセンターの消費電力削減に関しては、冷房空調設備の更新や低消費電力型のハードウェアの活用など、ファシリティやハードウェアからのアプローチが目立つが、ソフトウェア企業であるシマンテックが「仮想化」「統合」というキーワードを直接的にエネルギー問題の解決策としてアピールするようになったという点は興味深い。同社ではさらに「サステナビリティへのコミットメント」として、これらのテクノロジーをまず社内に展開することで、電力や資源の消費を抑える努力を始めているとしている。