「FireWire」の普及促進を目的とした業界団体がネットワーキングインターフェースの新しい仕様を発表した。これによって2008年にはFireWireの速度が4倍になる予定だ。
FireWireは1394規格の最も有名なブランド名であり、「i.Link」という名称でも知られる。この技術は外付けハードディスクやカムコーダーなどの機器をPCに接続する高速データインターフェースとして使用されている。
1394 Trade Association(1394 TA)は米国時間12月13日、FireWireの最新の電気的仕様「S3200」を発表した。この仕様は既存のIEEE1394b規格の上に構築され、最大速度を800Mbpsから3.2Gbpsに向上させる。重要なことは、S3200ではFireWire 800製品ですでに使用されているケーブルやコネクタがそのまま使用できる点であると1394 TAは主張している。
1394 TAのエグゼクティブディレクターであるJames Snider氏は声明で、「S3200規格は、コンピュータやCE機器のコンシューマー用途における多目的I/Oポートの絶対的なパフォーマンスリーダーとしてのIEEE 1394の地位を維持するものになるだろう」と述べている。「800Mbpsから3.2Gbpsに移行するための非常に明確なパスが存在する。規格に変更を加える必要もないし、新しいケーブルやコネクタも必要ない」(Snider氏)
1394 TAはS3200仕様が2008年2月初めまでには承認されることを望んでおり、この速度向上を利用してFireWireを最近登場した他のインターフェース技術に代わる技術として位置づけようと努めている。
1394 TAは声明で、S3200が開発されたことによって、ハードディスクやPCに採用され始めている競合接続規格の「eSATA」からユーザーは何のメリットも得られなくなると主張している。また1394 TAは、eSATAはそれほど高速ではなく、FireWireとは異なり機器への電源供給能力もないと述べている。またS3200は「USB 2.0」よりもはるかに高速で、USB 2.0より多くの電力を機器に供給できるとも主張している。
1394 TAはまた、FireWireは間もなくケーブルテレビの同軸ケーブルでも動作するようになり、また高品位(HD)接続の現行規格である「HDMI」よりも低いコストで非圧縮高品位テレビを長距離にわたって伝送するのに十分な速度を備えた規格になるだろうと述べている。
1394 TAによると、FireWireは「HD番組をフルデジタルの品位で録画できるとともに著作権保有者からのコンテンツ保護の要件にも適合できる唯一の分離可能なインターフェース」であるという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ