Derby、PostgreSQLのサポートも継続
新しい肩書きを与えられたMickos氏は、MySQLの仕事だけでなく、「Derby」や「PostgreSQL」など、Sunがサポートするその他のオープンソースデータベースプロジェクトも率いることになる。Sunはそれらのプロジェクトと平行してMySQLの作業を継続していくとGreen氏はインタビューで語った。
「われわれは本気でこれらのプロジェクトを従来と変わらない速度で進めていくつもりだ」とGreen氏は述べた。デベロッパーは状況に応じて異なるパッケージを必要としており、「Sunには同時に複数のプロジェクトを進行させるだけの十分な規模がある」(Green氏)
しかし、MySQLが最優先プロジェクトであることは明らかだ。例えば、MySQLのサポートサブスクリプションを販売するときの営業サポートはPostgreSQLの場合よりもはるかに広範囲のものになるだろうと、Green氏は述べる。
「こうしたサブスクリプションの販売にはSunのソフトウェア営業チームの全員がかかわることになる。営業組織は、以前は規模がはるかに限定されていたが規模も範囲も拡大した」(Green氏)
Schwartz氏は、買収によってMySQLが大企業の顧客にとってより好みに合うものになるはずだと主張する。「これまで市場での成功を阻んできた唯一の大きな障害は、グローバルなサービスとサポートを必要としている大企業に十分な安心感を与えられなかったことだ」(Schwartz氏)
一方、Mickos氏は潜在的なライバルをむしろ同盟と見なすことにした。「敵は他のオープンソースデータベースではないとわたしは常々考えていた。われわれは常にPostgreSQLチームとは良好な関係を保っていた」(Mickos氏)
PostgreSQLは、市場をリードするOracleのプロプライエタリ製品に匹敵する伝統的なデータベースパッケージと位置づけられることが多い。一方、MySQLはそのような分野でも便利な機能を着実に蓄積しているが、むしろ新世代インターネットサイトなどSunが新しいデータベースの使用法と見なしている分野を念頭に調整されている。MySQLはFacebook、Google、YouTubeの中核部分で使用されている。
Mickos氏によると、Sunは従来のデータベース市場を対象にMySQLの開発を進める予定はないという。同氏は「われわれはWayne Gretzky氏(アイスホッケー選手)の『パックが進む先に向かって滑れ』というアドバイスに従っている」と述べ、例として「Webサービス、Web 2.0、情報通信、モバイル空間」を挙げた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ