Sun MicrosystemsがMySQLを10億ドルで買収した際に浮上した最大の問題は、両社の明白な文化的衝突だろう。長年、クローズドソース企業としてやってきたSunがオープンソース企業のMySQLを買収したことで、オープンソースコミュニティーの一部から、今後の成り行きを懸念する声が上がった。しかし、Sunは米国時間4月15日、買収をめぐるあらゆる疑問を払拭すべく、1月に買収が完了して以来、初となる大規模なMySQL開発者向けの集会MySQL Conference & Expoで、両社の相思相愛ぶりを演出した。
Sunの最高経営責任者(CEO)であるJonathan Schwartz氏は、同イベントに出席中、「このような無料ソフトウェアはもうたくさんだ」と冗談を述べた。予定通り、聴衆から笑いを取った後、Schwartz氏はすぐに、立見席限定の同イベントに参加していた開発者らに、Sunは今後もオープンソースの伝統を固守していくという安心感を持たせようとした。
Schwartz氏は「われわれの極秘の構想?それは、(オープンソース)コミュニティーのために働くことだ」と述べ、さらに「(コミュニティの)メンバー1人1人が、Sunにとってのビジネスチャンスだ」と付け加えた。
またSchwartz氏は、Sunに勤務する1万1000人のエンジニアたちが、同様の文化的背景を持っていることを強調した。Schwartz氏の前にステージに立った元MySQLのCEOであるMarten Mickos氏も、合併完了以来の開発の進捗状況について、Schwartz氏と同様に楽観的な見方を示した。
特に、Mickos氏は、さらに多くの大手企業がMySQLの利用に興味を示していると語った。一方で、同氏は、MySQLコミュニティーが2008年以降に報告したバグ修正件数は386件だと報告した。ちなみに、2007年は997件だった。MySQLは以前、コードベース維持能力を疑問視されていた。
休憩中、Sunのある従業員に会った。その人物は、問題はSunがMySQLを変えるのかどうかということではなく、むしろその反対だと語った。従業員は匿名を条件に、「MySQLの方が、Sunの文化を変えている」と述べ、さらに「以前は、プロプライエタリだったために、馬鹿げた争いをしてきたが、それも昔の話だ」と付け加えた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ