シマンテックは4月17日、インターネットセキュリティ脅威レポート(ISTR)の最新号を発表した。レポートによれば、攻撃者の最大攻撃経路がネットワークからウェブに移行しており、ネットユーザーが日常的なウェブサイト閲覧だけで、ウイルスに感染する例が増加していることを報告している。
これまでは、ユーザーが悪意のあるサイトを閲覧するか、悪意のあるメールの添付ファイルをクリックしない限り、セキュリティ脅威の被害を受けることはなかった。しかし現在では、ハッカーは正規のサイトに侵入し、そこを足がかりとして家庭や企業のコンピュータを攻撃している。
攻撃者は、サイト特定型の脆弱性を利用して攻撃している。この脆弱性は、2007年下半期で1万1253件報告されているが、このうちウェブサイトの管理者がパッチを施していたものは、わずか473件で全体の約4%に過ぎない。攻撃を実施しようとするハッカーにとっては極めて大きな好機となっている。
フィッシングの問題も続いており、2007年下半期にシマンテックでは8万7963台のフィッシングホストを確認している。この台数は、2007年上半期に比べ167%の増加となっている。また、一度でもフィッシング攻撃の対象となったブランド数の80%は金融関連であった。
またレポートでは、攻撃者の狙いが情報を保存してあるコンピュータやデバイスではなく、金銭的利益のために不正利用できるエンドユーザーの機密情報そのものにシフトしてきていることを報告している。攻撃者は、盗んだ情報をアンダーグラウンドエコノミーで売買するが、クレジットカード情報は広告された物品全体の13%(前期22%)を占め、1件わずか0.40ドルで売られているという。