データセンターは、IT業界による電力消費の問題への取り組みにおいて、最初に検討され、かつ、最も目立つ存在だ。
Cisco Australiaのビジネスデベロップメントマネージャー、Brad Engstrom氏は、「データセンターは、コンピューティングにおいて最も電力を消費する設備だ。Googleを見れば分かる。電力が入手しやすいかどうかを基準に、データセンターの設置場所を選んでいる」と述べている。
IT関連組織の多くが、サーバの利用効率を高めようと仮想化を採用しており、ラックあたりの消費電力は、20、24、40kwにまで上昇している。
冷却ソリューションベンダー、Emerson Network PowerのナショナルプロダクトマネージャーであるMark Deguara氏は、ラックあたりの消費電力が24kwの構成では、標準的な40w電球を600個分、またはトースター12個分、もしくは電気オーブン10台分と同じ電力量が消費されていると指摘する。
「われわれが現在手掛けているデータセンターでは、消費電力はラックあたり20kwだが、30kwを検討しているお客様もいる。また。ラック1つで50kwを消費する(設備を建築中)のようなお客様もいる」
「グリーン」なデータセンターとは?
データセンターにおける電力消費が増加するのと同時に、競合他社との差別化を図る手段としてITの「グリーン化」を利用しているハードウェアベンダーもある。
だが、データセンターが膨大な電力を消費しているにもかかわらず、データセンターを「グリーン」とみなすことは、矛盾していないだろうか。
冷却ソリューションを専門とするEmerson Network Powerのマネージングディレクター(MD)、David Scott氏は、次のように述べている。「矛盾などしていない。エネルギー効率を最大限に高めるために、われわれにできることは明白で、また、われわれはそれを実行している。ITハードウェアメーカーは、新しい省エネルギー製品を供給し続けており、その結果エネルギー効率は向上している」