パリに拠点を置くコンピュータセキュリティ企業Integoは先週、Appleの「iPhone」向けでは初めてとなるウイルス対策ソフトウェアをリリースしたと発表した。
同社が先週リリースしたMac OS X向けウイルス対策パッケージの最新版「Intego VirusBarrier X5 10.5.3」には、iPhoneおよびiPod touchをウイルススキャンする機能が搭載されている。
ただし、スキャンはiPhone上ではなく、Mac上で実行され、iPhoneがユーザーのMacに接続されたときにiPhone上のウイルスをチェックする。iPhone上のファイルがMacにコピーされ、セキュリティチェックが行われる。
Integoによると、Appleは、サードパーティー開発者によるソフトウェア開発キット(SDK)を使ったアプリケーションの開発を可能にしているので、iPhoneに危害を加えたり、乗っ取ったりする可能性のあるアプリケーションが出てくる危険性があるという。
Integoの最高経営責任者(CEO)であるLaurent Marteau氏は、「iPhone 2.0ソフトウェアがリリースされ、アプリケーションの追加が可能になったため、ユーザーは新たな方法による攻撃にさらされている。acユーザーをマルウェアから守るだけでなく、同時にiPhoneやiPod touchも保護することが重要だ」と述べている。
しかし、これまでに公になっているiPhoneを攻撃するマルウェアは1つだけである。
ウイルス対策ソフトウェアベンダーは、Mac OS Xの機能限定版を搭載したiPhoneが登場すれば、すべてのMac OS Xシステムを攻撃するマルウェアは増加する、と予測していた。しかし、この予測はまだ現実にはなっていない。OS Xを狙うマルウェアの数はまだ比較的少ない。ほとんどのMac OS X向けウイルス対策ソフトウェアで、ブラックリストに掲載されているマルウェアは100ほどである。
しかし、そのほかのセキュリティベンダーも、Appleがサーパーティー開発者にiPhoneを公開したことで、iPhoneユーザーに対するマルウェアの脅威は高まるという点でIntegoと一致している。ウイルス対策ソフトウェア企業F-Secureでセキュリティレスポンス担当マネージャーを務めるFei Wing Chia氏によると、同社にはまだiPhoneを狙うマルウェアの報告はまだ寄せられていないが、マルウェア作者によってAppleの「AppStore」が乗っ取られる可能性はあると述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ