僕は小学校のときに健康優良児で表彰されたことがある。生まれてからほとんど病院のお世話になったことはなく、虫歯の一本もできたことがない。就職してからは、給料明細で健康保険料が天引きされているのを見るたび、「俺のような健康な人間がいるから保険制度はもっているのだ!」などと豪語していたものである。
つまりは健康には相当の自信があったので、健康診断の結果が悪くなりだし、「このままの状態では五年後はまずいよ」などとお医者さんから言われても、自分では痛くも痒くもないために放置してきた。ところが、この五年の間で検査結果は着実に悪化し続け、ついに毎日の食事量と運動量を決められたとおりに守るという相当ストイックな生活習慣への改善を余儀なくされてしまった。
という訳で、僕は毎日スポーツジムに通っているのである。元々、スポーツジムには入会してはいたが、毎月会費を支払うだけで全く利用しない幽霊会員だった僕が、毎日通わなければならなくなったのだ。(病院のお世話にならない健康保険と同じように、スポーツジムというのは僕のような幽霊会員で、もっているのではなかろうか?)