ついに「Astro」がリリースされた。
Adobe Systemsは米国時間10月15日、ビデオ、オーディオ、グラフィックスの分野で、よりハイクオリティのウェブサイトを実現する、「Flash」技術の最新メジャーアップデートを正式発表した。新たなバージョン10には、Astroというコードネームが付けられており、Microsoftが、対抗する「Silverlight」ソフトウェアのバージョン2.0をリリースした、わずか数日後にリリースされた。
無料でダウンロードできる「Flash Player 10」には、以下のような新機能が含まれている。
- より使いやすい3Dグラフィックス効果
- 文字とグラフィックスを組み合わせた洗練されたレイアウトや活字、新たな多言語サポートなどを実現する、テキストエンジンの向上
- 音楽サウンドトラックとゲームのオーディオエフェクトを組み合わせるなど、異なるオーディオ信号のミックスも可能になる、音声処理エンジンの向上
- 「After Effects CS4」および「Photoshop CS4」とも連動する、「Pixel Bender」技術を活用した、高性能なビジュアルエフェクト
- ハードウェアアクセラレーションを実現する新性能
- ネットワークスループットの状況変化などに自動対応する、可変ビットレートによるストリーミング配信
Flash Playerは、さらなるウェブベースのアプリケーション強化を目指す、Adobeの取り組みの中でも、核となる存在である。Adobeの「Flex」フレームワークは、Flash Player上で動作するアプリケーションの作成や、AIR(Adobe Integrated Runtime)上で動作する、スタンドアローンのコンピュータアプリケーションとして活用できる。
とはいえ、FlashとSilverlightは、いわゆるリッチインターネットアプリケーションの製作に使用される、唯一の手法ではない。Microsoftの強力な開発者ベースと「.NET」プログラミング技術を基盤とするSilverlightは、(Flashの)新たなライバルである。また、JavaScriptは、ウェブアプリケーション向けの、より精巧なインターフェースの構築方法として、成長を遂げてきている。しかしながら、Flashは、より幅広く普及しており、多くのユーザーが、比較的早期に新バージョンへとアップグレードする特徴を備えている。
また、Flash Player 10は、「Photoshop」「Illustrator」「Dreamweaver」「Premiere」を始めとする、幅広いアプリケーションがバンドルされている、リリースされたばかりの「Adobe Creative Suite 4」(CS4)にも対応する。Flash技術を用いてコントロールパネルが記述されているため、CS4のメニューは、よりサードパーティーへの展開が容易になるほか、Adobeは10月中に、カスタムコントロールパネルの作成が簡単に行える「Configurator」のリリースも計画している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ