シマンテックは12月17日、今回で5回目となる「オンライン詐欺に関する実態調査」の結果を発表した。オンライン詐欺から身を守る自信が低下している一方で、インターネットの利用の仕方が特に「変わっていない」と回答した人が「変わった」という人を上回る結果となった。
この調査は、インターネット利用歴3年以上、15歳以上の日本国内個人ユーザー1000名を対象に、10月にインターネット上で実施したもの。
オンライン詐欺行為の対策に関して正しく理解をしていると回答した人は 24.3%と、2007年の調査より9ポイント低下した。防御への自信を持つ人は「たぶん大丈夫」と答える人を含めても33.3%と、2007年の41.9%より減っている。続々と発生するオンライン詐欺の新手法に対処しきれないという不安が生じているようだ。
マルウェアやフィッシングメールなどが原因として起こりえる被害について、不安を感じる人が最も多かったのは「銀行預金の引き出し、クレジットカードの不正使用によって金銭的被害を受けること」(「非常に不安」および「多少は不安」を合わせて88.4%)、次いで「インターネットで入力した個人情報やログイン情報などが漏れたり、盗まれたりすること」(同87.2%)となり、順位は前回までと変わらなかった。ただし、各項目で「非常に不安」を選んだ人の割合は低下しており、全般的にオンライン脅威に対する不安度が薄らいでいる可能性がある。
その一方、全回答者の4人に1人が実際にオンライン詐欺に遭った、もしくはだまされて個人情報を聞きだされてしまったなどの経験が「ある」もしくは「ひょっとしたら何かの被害に遭っているかもしれない」と回答している。また、個人情報が漏れた原因として、「全くわからない」とした回答者が増加しており、被害が潜在化していることを示していると考えられる。
オンラインゲームの利用率は2割で、そのうちおよそ1割が1年以内にリアルマネートレード(RMT)をしていた。1年間の支払いおよび受取額は平均18万8014円。利用者の7.8%が、取引を持ちかけられたり、RMT関連詐欺の被害に遭ったりした経験があることもわかった。なお、オンラインゲーム利用時に、セキュリティソフトを無効にすることがあるとした人のは、利用者の2割に及んだ。理由としては「ゲームに干渉する/作動しない」「動作が重くなる」などが挙げられている。
オンライン詐欺対策などインターネットの利用の仕方については特に「変わっていない」という回答者(55.6%)が「変わった」(44.4%)と答えたユーザーを上回った。