2009年8月に予想されていた通り、米国電気電子学会(IEEE)は高速無線LANの標準規格「IEEE 802.11n」をようやく承認した。
最高300Mbps(さらにそれ以上)の転送速度を可能にする802.11nが最終承認されるまでに、発案されてからちょうど7年、最初のドラフトが発表されてから6年という月日を要したことになる。この間に同標準のドラフトは10以上のバージョンを経てきた。
802.11n承認のニュースは、長らく802.11nタスクグループの議長を務めてきたBruce Kraemer氏がグループのメンバーに送った電子メールを掲載したブログ記事によって明らかになった。今のところ、公式の発表は行われていない。更新情報(米国太平洋夏時間9月11日午後5時49分):プレスリリースが発表された。
(802.11nタスクグループは、無線LAN規格を管轄する802.11作業部会の下部組織だ。グループのメンバーには、大多数のWi-Fiチップメーカー、ソフトウェア開発企業、Wi-Fi機器のOEMベンダーが含まれる。このニュースを速報したブログ記事を掲載したMeru Networksもメンバーだ。)
ただし、9月15日までには承認が公式に発表されそうだ。Meru Networksはこの日に、承認に関する疑問に答える公開ウェブキャストを予定している。
無線LAN製品の相互運用性を確保するための試験と認証を実施している業界団体Wi-Fi Allianceによると、既存の「Wi-Fi CERTIFIED 802.11n draft 2.0」準拠無線LAN機器はすべて、802.11nの最終規格にも適合するという。
802.11nの転送速度は、すでに承認されている前世代の規格「IEEE 802.11g」(わずか54Mbps)よりも大幅に高速化する。そのすぐれた転送速度ゆえに、多くの無線LAN機器メーカーは、過去6年間にわたって802.11n(「Wireless-N」とも呼ばれる)に準拠した製品を提供し、「Draft N」製品と呼んできた。今後はDraftの文字が消えることになる。
Wi-Fi Allianceによると、既存の機器は、すべてではないにせよその大半が、ファームウェアの更新を介して最終承認された仕様に適合するようアップグレード可能だという。これでようやく、将来の無線ネットワーキング製品はすべて、Wi-Fi認証済みの現行製品との互換性が確保されることになる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ