米連邦航空局(FAA)が過去にサイバー攻撃の標的になったことを受け、IBMが同局と協力し、商用航空および個人飛行向けネットワークを将来の脅威から守るセキュリティシステムの開発を行うことになった。
IBMは米国時間3月30日に発表を行い、新しいセキュリティシステムは、暗号化、ファイアウォール、およびウイルス対策ソフトウェアを使ってハッカー、ボットネット、マルウェアから守るといった、従来の手法を超えたものになると語った。今後開発される民間航空向けの新システムは、よりインテリジェントかつ分析的である必要があるという。
IBMによると、新システムは一連の探知および監視装置を通じ、すべてのネットワークトラフィックとユーザーの利用状況をリアルタイムでチェックするという。また、ネットワーク監視を行うことで、新システムはFAAのネットワークへのあらゆる攻撃や改ざんを分析して、過去の例と比較することもできる。
FAAは、ネットワークに入ってくるすべてのデータを追跡および分析し、やがて実施されそうな攻撃については、随時警告を受けて行動を取ることが可能になる。また、すべてのネットワーク情報はデータウェアハウスに保存され、さらに詳細な分析が可能になると、IBMは説明している。
IBMで米連邦政府を担当するゼネラルマネージャーのTodd Ramsey氏は声明で「サイバー攻撃は全世界に蔓延する伝染病のような存在となっており、この被害を免れているシステムはない」と述べている。「FAAとの今回の共同開発、および政府や民間部門との間で進行しているその他の案件を通じて、重要な国レベルのネットワークや企業システムのデジタルおよび物理インフラを保護する総合的なソリューションを開発したいと、われわれは考えている」
Obama政権は、米国が直面している最も深刻な脅威の1つとしてサイバー攻撃を注視しており、新システムはそれに応えた重要な構想となる。サイバー攻撃の脅威については、FAAに十分すぎるほどの前例がある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ