NTTデータ、中国企業を買収--金融業務に強み

富永恭子(ロビンソン)

2010-04-14 11:25

 NTTデータが中国のシステムインテグレーター(SIer)である上海晋恒軟件有限公司(上海シナジー)の経営権を獲得した。上海シナジーが実施する第三者割当増資をNTTデータが引き受け、上海シナジーに67%出資する。NTTデータが4月13日に発表した。

 上海シナジーの出資比率は上海啓明が67%、上海騰欣が33%。第三者割当増資後の出資比率はNTTデータが67%、上海啓明が22%、上海騰欣が11%になる。当局への増資申請が認められた。

 社名も変更され、中国語で「上海恩梯梯数据晋恒軟件有限公司」(英語で「Shanghai NTT DATA Synergy Software Co.,LTD.」)、日本語では「上海NTTデータシナジーソフトウェア有限会社」になる。従業員数は69人。役員をNTTデータから派遣する。

 上海シナジーは上海市で中国国内金融機関向けのSI事業を手掛け、金融機関の業務に精通したシステムエンジニア(SE)を抱える。得意分野の一つであるクレジットカード関連システムの開発をNTTデータなどとともに上流工程から実施している。

 NTTデータは、成長が期待される中国金融機関向けIT市場への参入を目指しており、実現手段として中国の金融機関や業務に精通したSEを確保する考えだ。

 今回の経営権獲得で、NTTデータは中国での金融機関に対するSI事業を担う上海シナジーをグループに入れ、NTTデータグループとして中国国内金融機関向け事業の遂行能力と競争力を獲得して事業拡大を目指す。またクレジットカード関連分野の業務知識を活かした上流工程からのオフショア開発事業も上海シナジーと共同で推進していく。

 上海シナジーは、増資で財務基盤を強化し、NTTデータの金融機関向けソリューションを中国国内に展開することを目指すとともに、NTTデータの高品質なシステム開発ノウハウを中国国内向けに展開することで競争力の強化を図っていくとしている。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. ビジネスアプリケーション

    生成 AI 「Gemini」活用メリット、職種別・役職別のプロンプトも一挙に紹介

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. セキュリティ

    迫るISMS新規格への移行期限--ISO/IEC27001改訂の意味と求められる対応策とは

  4. セキュリティ

    マンガで分かる「クラウド型WAF」の特徴と仕組み、有効活用するポイントも解説

  5. ビジネスアプリケーション

    急速に進むIT運用におけるAI・生成AIの活用--実態調査から見るユーザー企業の課題と将来展望

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]