NTTデータが中国のシステムインテグレーター(SIer)である上海晋恒軟件有限公司(上海シナジー)の経営権を獲得した。上海シナジーが実施する第三者割当増資をNTTデータが引き受け、上海シナジーに67%出資する。NTTデータが4月13日に発表した。
上海シナジーの出資比率は上海啓明が67%、上海騰欣が33%。第三者割当増資後の出資比率はNTTデータが67%、上海啓明が22%、上海騰欣が11%になる。当局への増資申請が認められた。
社名も変更され、中国語で「上海恩梯梯数据晋恒軟件有限公司」(英語で「Shanghai NTT DATA Synergy Software Co.,LTD.」)、日本語では「上海NTTデータシナジーソフトウェア有限会社」になる。従業員数は69人。役員をNTTデータから派遣する。
上海シナジーは上海市で中国国内金融機関向けのSI事業を手掛け、金融機関の業務に精通したシステムエンジニア(SE)を抱える。得意分野の一つであるクレジットカード関連システムの開発をNTTデータなどとともに上流工程から実施している。
NTTデータは、成長が期待される中国金融機関向けIT市場への参入を目指しており、実現手段として中国の金融機関や業務に精通したSEを確保する考えだ。
今回の経営権獲得で、NTTデータは中国での金融機関に対するSI事業を担う上海シナジーをグループに入れ、NTTデータグループとして中国国内金融機関向け事業の遂行能力と競争力を獲得して事業拡大を目指す。またクレジットカード関連分野の業務知識を活かした上流工程からのオフショア開発事業も上海シナジーと共同で推進していく。
上海シナジーは、増資で財務基盤を強化し、NTTデータの金融機関向けソリューションを中国国内に展開することを目指すとともに、NTTデータの高品質なシステム開発ノウハウを中国国内向けに展開することで競争力の強化を図っていくとしている。