日立ソフトウェアエンジニアリングは、クラウドコンピューティング技術を用いて組み込みソフトウェア開発環境の管理と運用を効率化する「クラウド型 組込み開発環境ソリューション」を5月12日より提供開始すると発表した。
組み込みソフトウェア開発環境の管理や運用においては、開発ツールのバージョン管理、オプション設定の統制、機密情報の管理、ハードウェアやソフトウェアの持ち出し管理などが重要な課題だ。特に開発拠点が複数に分かれている場合や開発を外部に委託する場合、開発環境の管理と運用の負担が大きくなる。
同ソリューションでは、クラウドコンピューティング技術を用いてインターネット経由でどこからでもアクセス可能な仮想的な開発室を構築し、ローカルに設置された開発機器をネットワーク経由でコントロールする技術と組み合わせることで、これら課題の解決を支援するとしている。
具体的には、これまで開発者個人のPC上に構築されていた組み込みソフトウェアの開発環境をクラウドコンピュータ上に集約することで、開発の時期に応じて増減する開発者数に合わせ、月ごとに必要な開発環境を増減させることが可能だという。これにより、人員の増減に伴う開発資産余剰および不足や、ソフトウェアのライセンス管理に関わるコストなど、運用と資産管理コストを低減できるとしている。
また、すべての開発者にセットアップ済みの同じ環境を提供することで、開発環境を統一できるため、開発ツールのバージョンなどの環境不一致によるトラブルを防止。同時に一カ所に開発機器を集約して複数の外部拠点や委託先の拠点から開発が行えるグローバル分散開発環境を構築できるため、開発機器の設置場所を問わない組み込みソフトウェアの開発が可能だという。さらに、ローカルPCに情報を残さないシンクライアント接続により、ソースコード、仕様書などの開発データはサーバで一元管理されるため、開発情報の漏えいリスクを低減するとしている。
クラウド型 組込み開発環境ソリューションの提供価格は、個別見積となる。日立ソフトでは、今後、同ソリューションにおいて、開発および管理ツールの月額提供など、さまざまななメニューを拡充する予定だという。