日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は7月15日、第7世代のブレードサーバ新製品「HP ProLiant BL465c Generation 7(BL465c G7)」「HP ProLiant BL685c Generation 7(BL685c G7)」およびネットワーク仮想化製品「HP BladeSystem c-Class バーチャルコネクト FlexFabric モジュール(VC FlexFabric)」を発表した。
7月15日に開かれた発表会の冒頭、日本HP エンタープライズストレージ・サーバー・ネットワーク事業統括 インダストリースタンダードサーバ事業本部 事業本部長の林良介氏は「ITシステムの予算のうち70%が運用や保守、電力などに割かれており、技術革新に利用できるのは30%だけという状況と言われている。これを解決するのが、『HP Converged Infrastructure』だ」と、同社のビジョンを改めて説明した。
Converged Infrastructureとは、ストレージやサーバ、ネットワーク機器、冷却装置といったリソースを一元管理し、動的に配分することで、クラウド環境の稼働率改善やコスト削減を進めるというビジョン。
このビジョンの中核製品が、オールインワンアプライアンスの「HP BladeSystem Matrix」だ。BladeSystem Matrixは2010年前半で数十社への導入実績があるという。「これまで1日単位だった構築を分単位で実現できることが評価されている」(林氏)。今回発表された製品群もこのBladeSystem Matrixを構成するものとなる。
ブレードサーバ2製品には、ネットワーク仮想化アダプタ「Converged Network Adaptor(CNA)」を標準搭載する。このアダプタは、10Gbイーサネットの信頼を高めた「Converged Enhanced Ethernet(CEE)」とファイバチャネルのフレームをカプセル化して10Gbイーサネット上で伝送させる「Fibre Channel over Ethernet(FCoE)」の2種類のイーサネット技術に対応する。
BL465c G7は12コア対応のAMD Opteronプロセッサ6100シリーズを最大2機(24コア)、16個のDDR3 DIMMスロットに最大256Gバイトメモリを搭載できるハーフハイトモデルのブレードサーバ。2.5インチベイを2基搭載する。前方ドライブベイの後ろにもう1つのドライブベイを収納するスライド構造にすることで、ハーフハイトモデルでありながらホットプラグと大容量メモリを実現した。ネットワークアダプタには10Gb CNAを2ポート備える。価格は36万2250円、出荷は8月下旬。
BL685c G7は12コア対応のAMD Opteronプロセッサ6100シリーズを最大4機(48コア)、32個のDDR3 DIMMスロットに最大512Gバイトメモリを搭載可能なフルハイトモデルのブレードサーバ。価格は119万7000円、出荷は8月下旬。ネットワークアダプタには10Gb CNAを4ポート備える。
VC FlexFabricは、BladeSystem c-Classエンクロージャーの背面に挿入して使用するネットワーク仮想化製品。1つの10Gbポートを最大4つに分割し、さらに帯域を自由に設定できるほか、物理的な配線を変更することなくネットワーク設定を変更できる「ワイヤーワンス」などの機能を備える。
今回発表された最新版では、ポート分割機能をイーサネットやFCoE、iSCSIに対応させた。「イーサネットポート3つとFCポート1つ」「イーサネットポート3つとiSCSIポート1つ」といったポート分割にも対応する。
またFCoEの利用時には、「FCoE Gateway」機能を提供。FCoEパケットをネイティブFCに変換することで、ほかのFCoEゲートウェイ製品を介さず既存のイーサネットネットワーク、FC ストレージエリアネットワークに接続できる。価格は未定。2010年秋にも発売される予定。